岐阜県養老町で40代の保育士が、2歳の園児4人を部屋に閉じ込める事件が発生しました。
動機は「言うことを聞かなかった」だそうです。
一部の愚か者がいたとしても、従姉妹のように保育士を目指す人は後を絶ちません。
「女性の社会進出」と「少子化」が進んでいるので、保育士免許を持っている人がたくさんいる社会は好ましいです。
しかし「霞(かすみ)を食っては生きていけない」ので「保育士で生活できるのか?」は死活問題です。
さらに「子供の面倒を見て生活費を稼ぎたい」と希望しても、 従姉妹のように「間違って、幼稚園教諭の免許を取ってしまった」という事態は避けたいものです。
この記事をご覧になれば
「しっかり保育士の免許を取って高い給料を貰いながら、 天使か悪魔かはさておき、人様の子の面倒を見て生活していける」ようになれます。
保育士になるには
私の従姉妹のような悲劇を生まないために、ガッツリと「保育士免許」をゲットしましょう。
ウィキペディアを丸パクリすると
「保育士は一般に保育所などの福祉施設において子供の保育を行う者。日本の国家資格の一つである」
と毒にも薬にもならないことが書いてあります。
この”義務教育を受けた人間なら誰でも知っている”安っぽい情報ですが、重要な点が2つあります。
①国家資格であること
②福祉系の資格であること
保育士は国家資格
存在が軽過ぎる、どうでもいい民間資格を取ったところで「自己満足」か「他人への自慢」ぐらいしか使い道がありません。
「国家資格」は持っていて得をすることはありますが、失うものは何もありません。
国家資格は国が、
「その資格を取って、その道で飯を食ってください。国にとって『長期的に頭が痛い問題』か『緊急事態が勃発している分野』なので貢献してください。臭い飯を食わなくていいように、うまい飯を食えるように給料を弾みますから」
という性質を持っているからです。
どうでもいい民間資格よりも5億倍は価値があるので、インスタ映えします。
気になる求人と給料は2章と3章で説明します。
保育士は「福祉」の資格
「『福祉』だろうが『教育』だろうが、 天使か悪魔かよく分からない自分の腹を痛めて産んだわけではない『他人様の子ども』の面倒を見て、高給取りになるのは変わらないのではないか?」
いいえ、「福祉」と「教育」では 「倒産寸前の新聞社」と「猛威を振るう SNS」 程の違いがあります。
子供の面倒を見るにしても「教育」=「幼稚園教諭」の資格を取ると、就職先は幼稚園に限られます。
ただし保育士より、幼稚園教諭の方が給料はとってもいいです。
世間は福祉に金を出しませんが、我が子の教育には湯水の如くお金を使うからです。
それを知っている民間企業は、幼稚園を運営して大金を稼ぎ、お偉いさんと人間関係をガッツリ作ります。
保育園は、商売下手な役所か社会福祉法人が運営するので、金が稼げません。
明らかに幼稚園教諭の方が、保育士より給料はいいです。
ただし幼稚園教諭は、とても数が少ない「幼稚園の求人」の争奪戦を勝ち抜かなければなりません。
さらに「セレブ」は例外なく我が子を幼稚園に預けるので、セレブにウケる「見た目」と「マナー」と「振る舞い」が求められます。
「お母ちゃん」というよりは「ママ、シスター」の印象です。
tiktok 映えすることが求められます
保育士は福祉職なので、大衆の子供達の面倒を見ます。
「お母ちゃん」の世界で「品の良さ」はどうでもいいのですが、「義理人情」を求められます。
幼稚園教諭の tiktok に対して、 mixi や Facebook、交換日記 で活躍できる人材――というイメージを持ってください。
保育士になるには「受験資格」
国家試験を受けるにあたり、2つのルートがあります。
大学、短大、専門学校
法律で決められた単位を取得すれば、保育士の試験を受けられます。
学科名がいかにも「保育」となっているので、 進学で迷うことはありません。
最近では、少子化で生徒が集まらない大学が「音楽」や「心理学」系の学部で「保育士」の受験資格がゲットできるようにしているので、入り口は広がっています。
3つのうち「どれがいいか?」と聞かれれば、迷うことなく「大学」です。
大卒は他の学歴と比べて、初任給の時点で別格です。
昇給は変わらないので、生涯賃金で大きな差が出ます。
さらに「保育士で飯を食っていくのをやめた」場合でも、大卒というだけで転職が簡単になります。
保育士で高い給料を稼いで、園長を目指したいのであれば、大学に進学しましょう。
実務経験
次の12施設で実務経験がある場合は、保育士を受験できます。
・助産施設
・乳児院
・母子生活支援施設
・保育所
・幼保連携型認定こども園
・児童厚生施設(児童館)
・児童養護施設
・障害児入所施設
・児童発達支援センター
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・児童家庭支援センター
助産施設と保育所は、全く現実的ではありません。
お産をする時、無資格の人間に処置をしてほしいでしょうか?
無資格の人間より、そもそも保育士を持っている人に子供を預かって欲しいと思いませんか?
私は社会福祉士を持っているので、児童養護施設に潜って受験資格をゲットします。
保育士になるには「国家試験」
保育士の国家試験は、1年2回開催されます。
筆記試験に合格した人が、実技試験に進みます。
平成30年度の試験結果は以下の通りです。
・受験者数:6万8,388人
・合格者数:1万3,500人
・ 合格率:19.7%
筆記試験の合格率は例年、20%で推移しています。
実技試験の合格率は80%以上であるため、いかに筆記試験を合格するかが「保育士になれるかどうか」の鍵です。
ユーキャンの保育士講座
保育士の求人
厚生労働省によると、直近の令和3年4月の保育士の有効求人倍率は2.04倍です。
対前年同月比で0.41ポイントの下落ですが、 全職種平均の1.04倍(対前年同月比で0.19ポイント下落)と比べると、高い水準です。
つまり「保育士の資格」を一旦取得してしまえば、最低生活費は稼げます。
また求人は都市部に集中しているのではなく、 地方でも発生しているため、就職する為に転居する必要もありません。
「保育士の有効求人倍率はなぜ高いのか?」を具体的に説明します。
待機児童問題の深刻化「女性が働くのは当たり前」
「女性の社会進出」というよりは「景気の低迷」で、共働きを強いられています。
働くためには、子供を預けなければなりません。
このニーズに対して、保育所も保育士も不足しています。
これが「待機児童」問題です。
幸か不幸か「待機児童問題」は解決の出口が見えないので、保育士の求人が無くなることはありません。
「保育士」の資格を持っていても働かない
保育士として就職した人が「早期退職」(5年以内の離職)する割合は、他の職種と比べて非常に高いです。
保育園は重労働
私は児童福祉を担当していたので、保育士や園長と話す機会が多くありました。
保育士は朝から夕方まで「人様の子供を預かる」という重圧をこなした後、一年中やっているイベントの準備で残業だらけです。
また園長は、 保育園の修繕や客の相手、苦情しか言わない保護者との戦争など、毎日が修羅場です。
それでも現場の保育士達は
「子供たちのために」
と歯を食いしばって、現場で戦ってくれています。
児童養護施設はもっと重労働
私は「大阪福祉事業財団」という「社会福祉法人」に勤めていました。
生活保護受給者が入所する「救護施設」で勤務していましたが、研修で児童養護施設を見に行きました。
児童養護施設に配属された女性の同期が、庭掃除をしていました。
その同期を指差して、施設長がこう説明しました。
「彼女は夜勤明けですが、働いてもらわないと施設が回りません。さらに彼女は、 発熱しています」
背筋が寒くなりました。
とはいえ、振り返ると私も38度台の高熱を発しながら夜勤をこなしていたので、児童養護施設だけがブラックなのではなく、 福祉業界全体が程度の差はあれ「ブラック」です。
同じ「ブラック」であれ、民間企業より福祉の方が「公共性」はずっと高いので、やりがいとステータスは高いです。
親戚や友人に「自分の職業」を説明する際も「福祉」と言うと勝手に「立派だ」「素晴らしい」と思ってもらえるので、精神的に楽です。
保育士の給料(年収)
保育士の平均年収は、このようになっています。
①正社員:311万円
②アルバイト:時給997円
③派遣:時給1316円
保育士で大金を稼ぐのはほぼ不可能ですが、保育園や児童養護施設が潰れることはないので、公務員に等しい安定感はあります。
公務員と違うアドバンテージは、今勤めている職場を辞めたところで需要があるので「転職」は容易です。
保育士で大きく稼ぐには、さっさと出世して園長になってしまうか、「現役保育士ライター」としてブログを書き、 「保育士転職」で稼ぐしか手段はありません。
CrowdWorks
保育士の労働で最も厄介なのが「保護者との人間関係」なので、面倒くさい人間関係は「園長」と「正職」に任せて、自分は気楽な「派遣」で保育だけを行う――という働き方もあるでしょう。
私が実際に接して保育士達は「給料(年収)」というよりは、「子供の頃の夢が叶った!」というエネルギーでばく進していました。
価値観は人それぞれですが「保育」は間違いなく、崇高な職業なので、保育士として働く人生はきっと悪くないと思います。
保育士の転職
転職市場において、看護師並みに保育士は強いです。
年度変わりの1月~3月だけではなく、年度途中で「転職」 を希望しても就職先は必ずあります。
最近の保育士の労働市場では、重労働極まる「児童養護施設」や「保育園」から「学童保育」に人が流れる傾向があります。
保育士も含めた福祉職が給料(年収)を上げるための王道は「転職」です。
1つの福祉法人で骨を埋める働き方ではなく「国家資格」と「実務経験」を武器に、「渡り鳥」を繰り返して給料(年収)を上げていくのが「賢い人生」というより「常識」になっています。
保育士の転職なら、保育士特化型転職支援【イクシィ】
初めての転職は転職ナビ
転職するにしろしないにしろ、 少子化に歯止めがかからないので「一人一人の子どもを大切にする」ことはますます重要になっていきます。
どうか「保育士」の資格を取って「未来の希望」である子どもの育成に尽力してくださることを、心からお願いいたします。
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