ダイヤモンド・オンラインの信憑性「生活保護とホームレスへの無知」

ダイヤモンド・オンラインの生活保護 困窮「公的扶助と生活保護」

「昨日、あの番組見た?」という会話は死後となり「ネットが炎上している!」という言葉が市民権どころか、王座についています。

テレビの視聴率は落ちるどころか、若年層(男性20代・女性10代)はそもそもテレビを見なくなりました。

民放でフジテレビの視聴率は最下位に転落し、テレビ朝日ではスポンサーが「高齢者しか観ていない」と広告料がもらえない始末です。

ジャニーズ頼みだった「24時間テレビ」は「アイドルの飽和と価格下落」で、視聴率が92年のリニューアル後では下から2番目という惨状です。

全国紙は各社赤字で、早期退職者を募っています。

テレビ東京だけが視聴率を伸ばしていますが、人々はテレビ東京にだけ流れたのでしょうか?

私達は今、テレビや新聞ではなく、ネットニュースで情報を得ています。

速報性があり、考察記事があり、便利なコンテンツです。

そんなネットニュースが「感情論」や「低レベル」な記事を発表すれば、信頼性は失墜し、ただちに私達は情報源を失います。

ネットニュース界の重鎮たる「ダイヤモンド・オンライン」はトレンドを取り入れ、深く考察しています。

しかし今回、呆れてモノが言えない記事を見つけてしまいました。

現代を生きる私達にとって「生命線」であるネットニュースにも「間違いはある」点を紹介します。

今回の記事は誰か1人を叩く意図はなく、デマやフェイクニュースに惑わされず「登る山を間違えない」ことで正しい情報を得ることが主旨です。

ダイヤモンド・オンラインとは

ダイヤモンド・オンライン(DOL) は、「ダイヤモンド社」という出版社が運営するネット記事です。 政治や経済に強く、「日経オンライン」と共にネット記事の双璧を成しています。

ダイヤモンド社とは

「ダイヤモンド社」は株式会社で、元々はビジネス会計の雑誌や書籍を発行していました。
創業は大正2年と歴史も実績もある出版社です。

代表的なコンテンツとして 「地球の歩き方」や「TVステーション」があります。
また書籍は「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 が、200万部を超える大ヒットとなりました。
2019年に出版した「ノーサイドゲーム」は 「TBS」でテレビドラマ化されています。

ネットメディアの「リスク」

順調な運営を見せていますが、時代の流れには逆らえなかったようです。

また「小学館」がいち早くオンライン報道を始めたことで、雑誌や書籍が主力であるダイヤモンド社を始め、各新聞社もオンライン報道=ネット記事の配信を開始せざるを得なくなりました。

各スポンサーの広告料は、インターネットがテレビを既に上回っています。

ネットメディアは今、 史上最高の盛り上がりをみせています。

しかしネットメディアとはいえ、人間が作成する以上、紙媒体と同じく、偏見や間違いが存在します。

ネットメディアでの競争が激しくなればなるほど、「速報性」と「タイトルの刺激性」を各社が競うようになりました。

その結果、記事の外注化が進んでいます。
昨今のネットメディアを見ていると、ネットにアップする前に各コンテンツの責任者が情報を精査したのかどうか首を傾げたくなる記事が多くなってきました。

その一例を見ていきます。

ダイヤモンド・オンラインの信憑性

2017年8月27日の早朝に、ダイヤモンド・オンラインは「DaiGo氏の差別発言を批判する人々にも感じる、歪んだ生存権の理解とは」という記事を配信しました。
このネット記事は当たり前のように「外注」ですが、アップしたダイヤモンド・オンラインに最も責任があると思います。

社会福祉士を持ち「救護施設」に5年間勤務し、市役所で「生活保護CW」を経験した私としては、看過できない内容が含まれています。

1つ1つ内容を精査します。

2019年の大型台風について

ネット記事の中で、以下のような記述があります。

>東京都台東区が設置した自主避難所を訪れた野宿者が、受け入れを断られるという問題が発生した

>野宿者は区内に住民票がない、という理由で追い返されてしまったのだ

マスコミのお家芸「行政叩き」です。

私は公務員で、避難所設置に参加した経験があります。
市民の命を守るため、市役所職員はスクラムを組んでの総力戦を強いられます。

正しい情報を取捨選択して市民を避難所に誘導し、避難所でも市民が安全でいられるように全力を尽くします。
例えば、具体策を紹介します。

・予算と人員を割いて「危機管理対策課」を運営している
・「第1配備」「第2配備」など、市役所職員を災害の程度に分けて班分けしておく
・平時の避難所確保
・避難所には高齢者や障害者が避難してくるので保健師などを緊急で配置する

網の目のように避難所を設置していますが、収容人数は住民基本台帳システム等を利用します。

そこには当然、「住所が無い人」は含まれません。

該当地区の住民の避難・収容をリストで確認します。
リストに名前が無い人は、避難所に入れません。

避難所の収容人数には限界があるため、当然の措置です。

また避難所は、着の身着のままで避難してきた社会的弱者が多く、避難所内の安全を確保する必要があります

当事者がホームレスかどうかはさておき、名簿に名前が無い人を収容所に入れて安全が破壊されたとき、この記事を書いた人やダイヤモンド・オンラインは責任が取れるのでしょうか?

このライターは、「ホームレスでも全国の避難所に収容しなさい。用心棒は勤めるから」と、安全を担保してくれるのでしょうか?
「無責任な行政叩き」はPVは稼げるのでしょうが、害悪でしか無いのでサッサと辞めてください。

記事の根拠がSNS頼み

さらに当該ライターは、以下のように続けます。

>さらにショッキングだったのが、ネット世論だった
>「税金を払っていないのだから、支援を受けられなくて当然」
>「ホームレスを選んだとは、そういうことも覚悟するということ」などの声

「ネットの匿名性」が誹謗中傷で問題になっていますが、ネットは自演や嘘がつき放題です。

顔も本名も出せないライターが、現場を取材もせず、ネットの声を拾って、糾弾する。
これはジャーナリズムでも何でもなく、同じく「ネットの匿名性を利用した誹謗中傷」です。

評価軸が「いいね」

さらに続く記事で、開いた口が塞がらりません。

>受け入れを拒否した職員の対応をSNSで非難する人たち

と紹介し、自分の記事に有利になる部分だけを拾っています。

>「批判する人は自分の家で保護できるのか。そうじゃないなら批判するな」
>「臭気にたえられないくせに、キレイゴトをいうな」

こうしたSNSの発言を取り上げて、こう結論づけています。

>普段は口に出さない本音は、有事にあらわになる

「本音」を聞くには、当人達と協議するしかありません。
この記事を書いたライターは

>大量の「いいね」がついていた

「いいね」の数が「本音」だと認識している様子です。
何なら「いいね」なんて、お金で買えます。
リアルの人間関係が広いほど、SNSの「いいね」は貰いやすくなります。

そうしたSNSの背景など知りようもないのに「『いいね』の数が多いから、これが『国民の本音』」とは滑稽です。

生存権の無差別平等

このライターは仰々しく憲法を取り上げ、生活保護を語っています。
そのピントが非常に外れています。

>病気などの不可抗力によって働けなくなるという限定的な事例を出した人が多かった事実を見るに、潜在意識の中に、生活保護を受けてしかるべき人とそうでない人の線引きがあるように思えてならない

このライターは、生活保護の「資力調査」もご存知ないようです。

「資力調査」とは、働く能力や貯蓄を調査することです。

この調査で「生活保護が妥当」と行政が判断した場合、生活保護が支給されます。

>生活保護を受けてしかるべき人とそうでない人の線引きがあるように思えてならない

「思えてならない」ではなく、「線引き」は確実に存在します。

税収とそれに基づく社会保障費に限りがある以上、生活保護の支給において、どこかで線を引かなければなりません。

生活保護の申請を全て通せば、社会保障はパンクします。

その場合の補填を、このライターとダイヤモンド・オンラインはしてくれるんですよね?

責任が取れない「無責任な発言」は控えてください

生活保護不正受給への無知

この記事の最大の欠点は、「生活保護不正受給」への「無知」です。

記事内では数字と体感を上げて、このように語っています。

①生活保護の話題が出ると、脊髄反射のように、「不正受給に厳罰を!」」「酒とギャンブルに使うんだろう」というおびただしい生活保護たたきのコメントが書き込まれる
②実際不正受給率は 金額ベースで0.4%(意図的なものはさらに少ないとされる)というデータもあり、99.9%以上は不正受給ではないようだ
③もはやお決まりとなった生活保護費が酒とギャンブルに使われるという「都市伝説」

①について

どこに「書き込まれて」いるのでしょうか?
その情報に信憑性はあるのでしょうか?
その「書き込まれた情報」の裏付けは行ったのでしょうか?

ネットメディアが情報を引っ張っている現状、曖昧な情報を伝えるのは危険です。

②について

不正受給は、確実に存在します。

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厚生労働省は、2016年度の生活保護費の不正受給の件数が4万4466件となり、過去最多を更新したと公表しています。

生活保護CWだった当時、不正受給者はいました。

高価な車に賃料が高いアパートに住み、生活保護CWとして指導しょうとしても、不在続きでした。
不審に思って不動産会社に連絡すると「すでに退去しました」との返答でした。
その事実が発覚するまで、この受給者は不正に生活保護を得ていました。
さらに全国へ「ブラックリスト」として発信すると、関西の自治体で生活保護を申請しょうとしていた事実が発覚しました。

生活保護の申請に来た者でも、戸籍などを調べると、「渡り鳥」がいます。
各自治体で生活保護を不正受給し、それが露見して支給停止になると、次の自治体へ移動するのです。

「意図的な生活保護の不正受給は存在する」これは各自治体の生活保護CWなら、誰もが知っています。
生活保護CWに一切取材しないでネット記事をアップした、動かぬ証拠です。

③について

生活保護を受給した働きざかりの男性は、「足が痛い」と言って職安にすら行きません。

私が休みの日、小売店に買い物に行くと、朝の早い時間帯にもかかわらず、彼は酒が山ほど詰まった買い物カゴでレジの会計をしていました。

大阪府堺市の福祉事務所と話す機会がありました。
意見が一致したのは「水商場で現金手渡し」は、最も厄介だという点です。

生活保護CWは公務員であり、夜の訪問は基本的にありません。
さらに給与を現金手渡しされてタンス預金されると、収入の実態を把握できません。

大阪の某CWは、こんなエピソードを教えてくれました。

「離婚した母親が、ひとり親家庭で大変だからと生活保護を受給していました。家庭訪問すると、別れたはずの夫が当たり前にいました。母親に『彼は誰ですか?』と聞くと、『知り合いです』と」。

悪質な生活保護受給者が原因で、正当に受給している方が色眼鏡で見られてしまう――これが生活保護のリアルです。

ダイアヤモンド・オンラインで共感できる部分はある

今回取り上げた記事でも、共感できる部分はあります。

生存権は「頑張っている人に与える」ものではない

「生存権」は日本人ならば、等しく与えられる権利です。

給与の多寡、見た目、障害や疾病の有無に関係なく「生存権はあって当たり前」です。
その「生存権」が脅かされたときのために生活保護を筆頭に「公的扶助」が存在します。

人権の議論に同情や共感は要らない

「人権」を議論するとき、感情はときに邪魔です。

当事者団体が激昂し、本来守るべき社会的弱者達への世間の目が「危険だ」と映ることがあります。

「人権」は「可哀想」という「上から目線」ではなく、常に合理的に議論されるべきです。

テレビにも出た障害者が「私は障害者なのに、JRの職員はこんなに冷たいの!」と騒ぎ立てました。
その障害者はA政党と関わりが深い人でした。

売名で障害を使うことは、言語同断です。

「可哀想」の安売りは厳禁であり、「可哀想」の大量買い付けはそれ以上に、タチが悪いのです。

精神障害者の問題は、そうでない人から理解されづらい

これは私が先日、精神保健福祉手帳を申請したから取り上げているわけではありません。

身体障碍であっても、聴覚障害や内部障害の方は見て分かりません。

「障害の可視化」ができないので、他の身体障碍者よりも苦労します。

例えば電車で、座席を譲ってもらえません。
優先座席に座りづらいです。

聴覚障害も内部障害も、電車に乗るまでに大変な苦労が伴います。
しかし「障害の可視化」が困難なため、優先されにくいのです。

パラリンピックでも、障害が可視化しやすい身体障碍者の独壇場です。
知的障害者が参加できるのは、陸上と水泳だけ。
精神障害者に至っては、参加可能な種目は0。

「障害者」という括りの中でも「差別」があり、分断に繋がるリスクがあります。

生存バイアス

>同じ状況にあっても乗り越えられなかった人々に対して、努力不足だ、と自己責任論を押しつけ、切り捨てる
>このおごりは、だれでも持ちうるように思う。

同感です。

「実力は運のうち」という言葉があります。

そして「運」は「幸運」だけではありません。

「優生思想」の持ち主達は「自分の遺伝子が最も優れている」「他の奴等は劣っている」と他者を見なします。

人間は1秒後の未来が分かりません。

私は公務員を退職し、10月1日の職業訓練学校への入学までは無職です。
7月31日までは、生活保護CWだったのに、です。

「障害者は自分より劣っている」と行動を起こした人間は、死刑囚になりました。

「ホームレスや生活保護受給者の命は、猫より劣る」と公表した人間は、日本中から罵倒の嵐を浴びています。

マウントを取りたがる人間がいますが、上には上がいるのです。

「多額を納税しているから」との意見がありましたが、長者番付で格上は大勢います。
アラブの石油王が登場したら、どうするのでしょうか?

謙虚に生きる選択が、自分が最も得をする生き方かもしれません。

インフルエンサーにおんぶにだっこ「コタツ記事」

ネット記事は溢れていますが、ダイヤモンド・オンラインと日経オンラインは「品」があり、勉強になります。

ニュース系のメディアでは、以下が人気があるそうです。

・マイナビニュース
・ASCII.jp
・産経ニュース
・ニコニコニュース
・東洋経済オンライン
・ダイヤモンド・オンライン
・ABEMA


ネットメディアは取材しない

「コタツ記事」という名前を聞いたことがありますか?
コタツ記事とは取材をせず、他のコンテンツの受け売りでニュースをアップすることです。
アベマプライムで「コタツ記事」を巡り、出版元へ突撃取材を行っています。

【コタツ記事】直接取材なし! テレビ番組やSNSを引用する“コタツ記事“現役の執筆ライターを直撃 間違った情報や切り取りも‥未経験者や主婦も書き手に お金儲けの仕組みとは|#アベプラ《アベマで放送中》
【コタツ記事】「プライドや誇りがある」テレビ業界を盛り上げたい使命感も?大手メディアの取材は上質?ロンブー田村淳&元祖コタツ中川淳一郎と考える【しらべぇ】【フェイク】|#アベプラ《アベマで放送中》
ABEMAの公式サイトはこちらから

「しらべぇ」の担当者は、ネット記事は速報性とコストの安さが云々と釈明しています。

ひどいネット記事になると、著名人のTwitterをそのままアップする――という暴挙に出ています。

この瞬間、ネットメディアは「DaiGoがYouTubeで放った『優生思想』」に便乗しています。

「新世紀エヴァンゲリオン」の映画が公開された当初は、ネット記事が一面、エヴァンゲリオンで溢れ返りました。
これは「鬼滅の刃」でも同様です。

ネットメディアの特徴として「何も考えずに流行に乗る」という点が挙げられます。

PVを稼ぐ必要があるので、ある程度は仕方ないのかもしれません。

小説界の教えの1つに「時代と寝ろ」という言葉もありますし。

流行を追った結果、各社の取り上げる記事が同じテーマでは、ネットの多様性の意味がありません。

ネットメディアの在り方

ニュースの主戦場はネットであり、この流れは加速します。

テレビが無い家庭も多く、新聞を取らない家庭は当たり前になりました。

だからこそ、ネットメディアはポリシーを持つべきです。

「アベマプライム」というネットニュースは、根源的な問題から旬の話題まで幅広く取り上げ、またエッジが非常に効いています。
新聞や地上波では実現不可能なキャスティングも見逃せません。
「ABEMA」自体が巨大コンテンツとなり、サブスクとして、NetflixやAmazonプライムに追いつきそうな勢いです。
(加入者数は、Netflixが300万人、Amazonプライムビデオが600万人、ABEMAが60万人)
【マスゴミ前編】なぜマスゴミと揶揄される?映画監督・作家の森達也さん&当番組プロデューサーと報道のあり方を議論【メディアスクラム】【偏向報道】【実名報道】
【マスゴミ後編】なぜマスゴミと揶揄される?当番組プロデューサー&カンニング竹山&大学生起業家と議論【メディアスクラム】【偏向報道】【実名報道】|#アベプラ《アベマで放送中》
ABEMAの公式サイトはこちらから

ネットメディアは今回のDAaiGo氏の件で「インフルエンサーは発言に責任を持って」と主張しています。

それはそのまま、各ネットメディアにも言えるのです。

どうかネットメディアは「コタツ記事」に走らず、取材に基づいた正しいニュースを発信してください。

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