若年性認知症なりやすい人「チェックリストと症状」コーディネーター

認知症と知的障害

「高齢者の6人に1人は認知症です」

「2025年には5人に1人が認知症になります」

日本の「認知症大国」への突入は秒読みに入りました。

「認知症」は高齢者だけの疾病なのでしょうか?

実は20代や30代でも「認知症」になります。

厚生労働省の調査では、若年認知症の人数は約4万人であり、人口10万人(18~64歳)あたり47.6人という結果が発表されています。

「若年性認知症」――若くして認知症を患うことを、こう呼びます。

この記事では「若年認知症」への知識を深めることで、予防や対策を行うことができます。

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若年性認知症なりやすい人

若年性認知症ですが、若年性アルツハイマー病とも言われています。
このことから、若年性認知症になりやすい人の傾向が見えてきます。

短期で怒りっぽい

高齢者のアルツハイマー型認知症とも共通しますが、「短期で怒りっぽい人」や「協調性が無い人」は 若年性認知症の傾向があるため、注意が必要です。

すぐに大声を出したり、些細なことで感情が爆発してしまう人は要注意です。

家族や周囲の人間とのコミュニケーションに難があり、会話が減っていきます。

会話が減ることで、孤立します。

孤立すると外出の機会が減り、引きこもりになります。
外界からの刺激が減り、脳への刺激が減少します。

ネガティブ思考

些細なことでクヨクヨする人も、若年性認知症にみられる傾向です。
常に他人の目を気にして、物事に取り組めなくなっていきます。
そして結果は「短期で怒りっぽい人」と同じく、 外の世界が怖くなり、やがて「引きこもり」になります。

ネガティブ思考の場合は、若年性認知症だけではなく「うつ病」発生のリスクも抱えてしまいます。

生活習慣病

生活習慣病の原因は多々ありますが、若年性認知症につながる要因は以下の通りです。

・肉食など偏った食生活
・運動不足
・睡眠不足
・昼夜の逆転
・飲酒や喫煙
・強いストレス

心身ともに健康に過ごすことが、若年性認知症や生活習慣病の予防につながります。

若年性認知症になりにくい人

フロリダ州立大学の研究結果では、「自分をコントロールできる人」が認知症になりにくいと結論づけています。

具体的には「誠実さ」「自制心」「勤勉さ」が挙げられています。

これは精神論ではなく、根拠があります。

自分をコントロールできる人は、他者の話をよく聞き、誠実な返答ができます。
つまり、コミュニケーションが円滑にはかれるのです。

その結果、人間関係の輪が広がり、外界からの刺激が強く大きくなります。

これらのことから若年性認知症においては「コミュニケーション」という要素が、大きく関係していると言えるでしょう。

若年性認知症チェックリスト

老年医学会より抜粋したチェックリストをご紹介します。

  • 昨日言われたことが思い出せない
  • ついさっき置いた物の場所を忘れる
  • 使い慣れた物の置き場所が思い出せない
  • 印象的な出来事の発生時期が思い出せない
  • 他人との約束や契約を忘れてしまい、トラブルに遭った
  • 他者の発言が全く理解できず混乱する
  • 同じことを繰り返して言う
  • 会話中「何を話していたかな?」と記憶が曖昧になる
  • 行き慣れた場所へ行けない
  • 慣れた場所で迷子になる
  • 物事に取り組んでいる最中、他に気を取られると、何をやっていたか忘れてしまう

あてはまったからと言って、認知症とは限りません。

程度の差はあれ、多くの人間が経験するチェックリストです。

このチェックリストを参考に、日常生活に支障が出始めたら、医療機関を受診しましょう。

かかりつけ医が精神科受診を薦めた際、拒否するのは得策ではありません。

認知症は原因にもよりますが、早期発見で早期治療に取りかかれば、進行を遅らせる薬が開発されています。

 

若年性認知症の症状

記憶障害や見当識障害

若年性認知症の初期症状として「物忘れ」があります。
出来事や予定を忘れてしまうのです。
一般的な「物忘れ」と違うのは、その出来事や予定自体を忘れてしまう点です。

「見当識障害」とは今日の日付や、「今どこにいるのか?」と場所が分からなくなることです。

書類作成や窓口手続きで、今日の日付を忘れることが頻発するようならば注意しましょう。
また、通い慣れた場所で迷子になった場合も同様です。

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理解力と判断力の低下

具体的には下記のとおりです。

・物をどこに片付けたのか分からない
・部屋が散らかっているが、片付けられない。
・部屋が散らかっているが、散らかっていると認識できない。
・手慣れた料理の手順を忘れる
・簡単な計算ができない

これらの症状が出たら、車の運転は絶対に控えましょう

実行機能障害

具体的には下記の通りです。

・使い慣れた家電が使えない
・同じ料理を何度も作ってしまう
・不要なのに、同じ品物を何度も買ってしまう

認識力の低下

特にアルツハイマー型の若年認知症で見られる傾向です。

①「物を取って」と言われて、その物が見えているのに、取れない
②出口が見えているのに、外に出られない
③「時計を描いて」と言われて、時計の文字盤や針が書けない

医療機関では③の検査を行う頻度が増えています。

若年性認知症の余命

若年性認知症の中でも「若年性アルツハイマー」の余命は、約8年と言われています。

これは認知症が直接の原因ではなく、認知症による転倒や骨折、誤嚥性肺炎が原因です。

つまり、若年性認知症の余命について正確は数字は分かっていません。

若年性認知症を放置していれば、交通事故に巻き込まれる可能性は高まるでしょう。

逆に、周囲の支えがあり、実生活に留意していれば、余命を気にする必要はありません。

若年性認知症コーディネーター

若年性認知症コーディネーターは、発症者本人や家族の相談に乗り、問題を解決します。

若年性認知症コーディネーターは、 認知症専門医がいる医療機関に配属している例が多いです。

具体的なスタッフの構成ですが、行政や医療、 福祉関係者など多岐に渡ります。

若年性認知症コーディネーターとして信用できるかどうかは、下記の資格を取得しているかどうかでも、確認できます。

また発症した本人や家族も理解を深めるため、勉強することをお薦めします。

忙しい方でも、スマホ1つで学べます。
またオンラインですので、地方在住でも問題ありません。

認知症発症者の増加に伴い、認知症ケア専門士の役割は重くなっています。

終わりに

残念ながら認知症を完全に防ぐ治療は、確立されていません。

しかし 、認知症予防は進歩しています。
具体的には、認知症になりやすい性格や生活習慣病の傾向が明らかになってきました。

若年性認知症の当事者の苦悩は、下記のニュースで具体的に知ることができます。

【若年性認知症】「失敗しても笑ってくれた方が助かる」当事者男性が語る日常と社会に求める理解とは?【アルツハイマー】|#アベプラ《アベマで放送中》
ABEMAの公式サイトはこちらから

ニュースへのコメントを拾ってみました。

>記憶は忘れても酷いこと言われた記憶は覚えてるんだから、心の傷ってのは消えないんだね

>奥様が介護の仕事をしてて サポートできてよかったです

>私も2年前に認知症と診断されている39歳です。前頭葉の低下。脳の萎縮があります。出来ない事はお金の管理や・人の名前を忘れてしまう・1人でのお出かけが出来ない・迷子になる・公共機関は1人で使えない・今の会社は認知症と診断されても社長の理解もあり週1日だけ毎日同じ事をパートでさせてもらってます。私もYouTubeしています。介護士を18才の時から10年していたのに今は認知症で介護される側。いつ何を忘れてしまうのか本当不安だし怖いです。認知症には見えないと良く言われます。でも明るくいないと自分がなくなると思い明るく生きてます。

>私はまだ若く認知症は別世界のことだと思っていましたが、いつなるか分からないので最低限の知識だけは身につけておこうと思いました。

若年性認知症になっても、誹謗中傷されないことが、コメントからもうかがえます。

最後まで記事を読んでくださった方へ、下記の言葉を持ってお礼に代えます。

「#しんどい君へ 君は絶対、一人じゃない」

「いつか来た道、赤ん坊。いつか行く道、高齢者」

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