このままグランパスは降格してしまうのでしょうか?
グランパスは5月3日、豊田スタジアムで京都サンガFCを迎え撃ちました。
結果は引き分けでしたが、負けていてもおかしくないシーンが散見される内容に終わっています。
今回はデータで試合を振り返りながら、なぜ「アビスパ福岡」をお手本にすべきかをご説明します。
グランパスvs京都サンガ「データで振り返る」
1―1で終わった試合を、スタッツを中心に振り返ります。
まずはスタメンとベンチの選手です。
スタメン
機能しているとは言い難い3バックですが、長谷川監督は、この試合も3バックで挑みました。
3バックは本来、CBが余っていて守備に重きを置くチームが取る戦術です。
グランパスはCBが手薄なうえに、FC東京から獲得した内田はサイドの選手なので、補強と戦術がマッチしていない現状が分かります。
また、3バックは攻撃時に両ウィングが生命線となります。
ところが。
グランパスには左ウィングの至宝・吉田豊がいるのに、長谷川監督はスタメンで起用しません。
長谷川監督の頑固さは、降格への命取りになるリスクをはらんでいます。
ボランチはレオシルバがこの試合は当たったものの、36歳ではフル出場は不可能です。
それでも長澤が負傷したので、監督に選択肢は無いのが現状なのでしょう。
アンカーは宮原でいいと思うの……。
FWに見る長谷川監督の「臆病」
FWに本職が一人もいません。
柿谷はトップ下、マテウスはサイドの選手です。
0トップはコンサドーレに移籍したガブリエル・シャビエルがいないと、全く機能しません。
この点は以下の記事の冒頭でご説明しています。
グランパスvsジュビロ戦レビュー「トクマック・グエンを待ちわびて」
金崎と酒井をスタメンで使わないのは、監督が「ボールを保持したい」と考えるからです。
残念ながら、風間体制でファミリーは「攻撃サッカーでポゼッションは無理」と痛いほど分かっているので、心配しかありません。
ベンチメンバー
金崎と酒井の2枚をベンチに置いているので、終盤にポンと点を獲ってくれる阿部がベンチ外です。
さらに途中出場で流れを変えられる相馬がスタメンなので、今節のように1点が欲しい流れでも、起爆剤がなくなってしまっているのです。
サンガの控えが大前で助かった――そんな試合でした。
おお、本多、懐かしいですね。
スタッツ
シュート18本を打ちながら、流れの中で点が獲れませんでした。
しかも枠内に飛んだのは1本のみです。
相馬やマテウスが走りながら合わせるシュートが多く、枠に飛ばせませんでした。
何より、酒井がシュート下手というより「持っていない」選手であることが判明してしまいました。
走行距離とスプリントは申し分ないだけに、選手の疲労が心配です。
試合が終わるとガス欠で倒れていましたし。
シュビルツォクとグエンがいないと点が獲れない
ルーマニア人で戦車のような突進力を持つシュビルツォク。
頼りになる彼は昨年のACLでドーピング疑惑と判定され、現在は全てのサッカー活動を停止させられています。
この辺りの最新情報は、以下の記事でご説明しています。
グランパス2022長谷川新監督とFWシュビルツォクの薬物、山下獲得へ
グランパス「FWシュヴィルツォクが退団!?」ネットの反応は!?
さらに補強する元ノルウェー代表のトクマック・グエン(28)の合流は夏まで待たねばなりません。
トクマック・グエン獲得【グランパス】シュビルツォクの代役なるか?
シュビルツォクは、決定力と推進力の申し子のような選手です。
彼がいたから、守備頼みのマッシモ体制でも点が獲れていました。
新戦力のグエンは小柄で中盤タイプの選手ですが、決定力と大舞台の強さは本物です。
グエンの獲得は明らかに、シュビルツォクとの2トップを意識しています。
しかし、この2人が揃うまでに、一体どれだけの勝ち点を逃すのでしょうか?
マテウスと相馬、柿谷に大量得点が期待できないため、金崎+酒井でシュビルツォク1人分の点が獲れないと、手遅れで降格してしまうのです。
長谷川監督は小倉監督以下なのか
グランパスにとって悪夢となった降格年、チームを率いたのは小倉監督でした。
彼はチームの主力だった闘莉王を切るという大罪を犯しました。
長谷川健太監督が就任して、元日本代表のMF米本拓司(31)がチームを離れました。
さらに、FWの山﨑凌吾まで脱走しています。
離れた選手は多くを語りませんが、過去に長谷川健太氏と一悶着あった事実は変わりません。
シモビッチ・永井・川又の起用で頑固さを見せた小倉体制でグランパスは降格しました。
頑固に吉田豊を使わずに、レオシルバを使い続ける長谷川健太氏は、正に小倉監督の再来――今シーズンが終わってそう言われないよう、祈るしかありません。
ボランチは、稲垣と仙頭でいいと思うの……。
お手本はアビスパ福岡
かつてアビスパ福岡は、グランパスのお得意様でした。
降格した年ですら、6点を獲って圧勝したものです。
そのアビスパは今、いいお手本となってグランパスに立ち塞がっています。
アビスパは攻めまくる
FC東京との試合、アビスパはリスクを冒して攻めまくりました。
結果、同点弾は食らうものの、5-1で強敵・FC東京を下しています。
長谷川監督が攻撃サッカーに固執するのならば、アビスパの長谷川監督のように思い切って選手を攻撃させてあげる――そんな手腕が必要です。
今のマッシモ体制の守備を引きずった中途半端なサッカーでは、無抵抗で降格するしか無いのです。
次節は横浜F・マリノス戦
グランパスは12節、マリノスと戦います。
15時、日産スタジアムへ乗り込みます。
オーストラリア人のケヴィン・マスカット監督はフィジカルとラインブレイクに重きを置く、徹底した攻撃派の監督です。
マルコス・ジュニオールとアンデルソン・ロペスがいますが、恐れずに攻撃し続ける姿勢が大切な一戦となります。
無抵抗で降格するか否か。
そんな命運をかけた試合は、DAZNで独占配信されます。
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