グランパスはマリノス戦に敗れ、降格圏が見える14位のままです。
今日のマリノス戦の結果を受けて、長谷川監督の更迭論が噴き出しています。
シュビルツォクとグエンがいない攻撃陣は点が獲れず、期待できる要素がありません。
今季が終わって「降格」となってしまったとき、重要な分岐点となるマリノス戦をデータを中心に振り返ります。
最後は、次節のセレッソ大阪戦のプレビューをご紹介します。
グランパスvsマリノス戦「データでの振り返り」
不甲斐ない逆転負けでしたが、歯を食いしばって、この一戦をデータで振り返ります。
スタメン
レオシルバのスタメンに固執する長谷川監督は、風間監督が八反田康平に固執して、危うく昇格を落としかけた状態にソックリです。
FWも酒井と金崎を同時スタメンにしないので、マテウスや吉田豊、森下がいいセンタリングを上げても点に結び付きません。
マリノスは今日のMVPである喜田拓也が持ち味を発揮できるよう、レオ・セアラとマルコス・ジュニオールを縦に配置し、エウベルとアンデルソン・ロペスをワイドに置いて、攻守に深みを持たせています。
ベンチメンバー
長谷川監督は、せっかく3バックで初の吉田豊と森下のスタメンを組んだのに、途中で代えてしまう愚行に出ました。
右サイドで唯一、違いを作れる「甲田英將」はベンチにも入っていません。
この試合でハッキリしましたが、FC東京から期限つき移籍の内田宅哉に試合の流れを変える力はありません。
試合が終わっても笑っていたように、闘志も不十分です。
ベンチの選手からも長谷川監督が臆病になっているのが分かってしまいます。
スタッツ
支配率とパス成功数で完敗しています。
「攻撃」に重きを置く両チームがぶつかって、支配率でこれだけ水を開けられると、敗戦も仕方ありません。
今日のMVPであるマリノスのボランチ・喜田拓也のパスと推進力は特に素晴らしく、レオシルバでは止められません。
マスカット監督と長谷川監督の差
マスカット監督は、前半2回目の交代を行いませんでした。
前半30分に岩田、42分にエウベルが負傷退場したものの、後半に後退枠を残すため、10人で戦い抜いたのです。
この記事の後半で強調していますが、この「勇気」が長谷川監督に欠けています。
負けるべくして負けた試合だったのです。
見送った。交代回数はハーフタイムを除き3回までと規定されているため、追加時間を含む残り計7分間をあえて10人で踏ん張る戦いを選択
シュビルツォクとグエンがいないと点が獲れない
大黒柱のルーマニア人FW・シュビルツォクはACLのドーピング疑惑で、サッカー活動の全てが停止中です。
ノルウエー代表のトクマック・グエンは、合流が早くて夏なので、それまでは粘らなければなりません。
【参考記事】
トクマック・グエン獲得【グランパス】シュビルツォクの代役なるか?
この2人がいれば、確実に点が獲れていたシーンがありました。
例えば、試合が始まってすぐ、吉田豊がセンタリングを上げたものの、酒井が外してしまったシーンです。
決定力があるシュビルツォクとグエンなら、確実にジャストミートしていました。
さらに、後半2分、マテウスがいいパスを出すも、やはり酒井が外してしまったシーンなどです。
降格するチームに典型的な「決定力が無い」「あと1点が遠い」「あとは押し込むだけ」のオンパレードです。
長谷川監督の人事を含め、フロントは早めに動かなれば、手遅れになります。
マテウスのCKは得点の予感しかしないので、2人のチーム合流が待たれます。
丸山祐市は戦犯なのか
決勝点となった2失点目は、丸山のミスから生まれました。
ですが。
私は丸山を責める気はありません。
左利きというだけで、3バックの左を任されていますが、彼は本来、3バックの真ん中にいて、守備を安定させるのが本職です。
長谷川監督は3バックの狙いを、
「セットプレーで点を獲ってほしいから」
と明かしましたが、そうであれば、3バックの左は中谷が務めねばなりません。
成長中の藤井はいっぱいいっぱいで、左を任せることはできません。
せめてアンカーに宮原を置いて、3バックの負担を減らしましょう、レオシルバはベンチスタートにして。
負傷明けの丸山はベストを尽くしていますが、急造の3バックの最大の被害者です。
審判が悪いのか?いいえ監督が悪い「交代が全て裏目」
長谷川監督は敗れた原因をこう振り返ります。
「マリノスの選手が何もアピールしていないのに、VARでひっくり返された!
負けても、仕方ない!」
そのシーンは、後半6分でした。
マテウスのCKを藤井が頭で決めるも、他選手のオフサイドで取り消しになったのです。
確かに、微妙な判定でした。
VARが導入されて以来、微妙な判定が増えているのもまた事実なので、仙頭が位置を修正していれば、追加点となっていたはずです。
しかし。
深刻なのはVARではなく、長谷川監督のマネージメントなのです。
金崎と酒井の2トップスタメンを組まない長谷川監督
シュビルツォクとグエンがいない以上、グランパスは点が獲れません。それはもう分かっているので、点が獲れるスタメンを組むべきです。
酒井は「持っていない」FWなので、一人で点を獲るのは不可能です。
金崎も衰えが激しく、やはり一人は無理です。
そうであるならば、2人でスタメンを組むしかない――これが結論です。
ボランチのレオシルバはベンチに置いておくしかないでしょう。
金崎と酒井は途中出場で結果を出す選手ではないので、長谷川監督に求められているのは「勇気」です。
交代が全て裏目
吉田豊と森下をせっかくスタメンで起用したのに、この2人を代えてしまいました。
怪我も無く、スタミナにも問題はありませんでした。
代わって入ったFC東京から移籍してきた内田は、「そりゃ、レンタル移籍させられるわ」というガッカリした出来に終わってしまいます。
相馬と柿谷は動きがモッサリしており、とても1点差をひっくり返せる力はありませんでした。
チアゴも、FWで出す「チアゴ大作戦」で起用しない限り、活躍は難しいでしょう。
さらに相馬はWGではなく、この試合の流れならシャドーで使うべきでした。
小倉監督時代に酷似した選手起用からも、降格の危険な香りがプンプンします。
セレッソ大阪戦プレビュー
次節は5月14日土曜日、14:00キックオフです。
セレッソ大阪をホームの豊田スタジアムで迎え撃ちます。
セレッソは5月6日金曜日に行われたジュビロ磐田戦に2-1で勝利しています。
ブルーノ・メンデスの前掛かりな守備からのダイレクトシュート。
未だ日本のファンタジスタ・清武弘嗣の技術とリーダビリティは健在。
柿谷の古巣ですが、彼が活躍するイメージが浮かびません。
グランパスに勝機はあるのでしょうか?
セレッソ大阪攻略法
セレッソの高さは警戒せねばなりません。
DFのマテイ・ヨニッチ、ボランチの原川力はこちらの最終ラインまで駆け上がって、頭でセンタリングに合わせます。
セットプレーからの失点癖があるグランパスにとって、相性は最悪です。
試合の流れは、「神」であるGKランゲラックの好セーブにかける要素が強いものの、ランゲラックが実力を発揮できるよう、3バックがしっかり競る必要があります。
そもそもセンタリングを上げられないためにも、WGは森下と吉田豊で、絶対に途中で交代させてはいけません。
清武のマークは宮原(アンカー)、ボランチは仙頭と稲垣です。
トップ下にマテウスと金崎で、徹底的にカウンターで一点をもぎ取る道しか、勝ち点3は目指せないでしょう。
長谷川監督は小倉監督のように自身のやり方に固執して降格させず、勝利のために自分を消す戦術を選ぶ必要があります。
降格か否か。
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