MSWの役割と看護師との違い「社会福祉士で高い給料の求人ゲット」

医療と退院

「医療費が国家予算をパンクさせるので、入院日数を減らしなさい!」
厚生労働省が吠えます。

「入院日数を減らせば稼げるので、患者をさっさと追い出しなさい!」
院長はじめ、病院の経営者が吠えます。

MSWだった頃、自分勝手な厚生労働省と病院経営者に上から目線で圧力をかけられたものです。

それに対する私の答えは、一貫していました。

「病院の儲けはどうでもいいけど、救急車がたらい回しにされないように、入院ベッドは空けなければならない」

「国家予算は厚生労働省がマネジメントすればいいだけ。入院が長引けば、患者の筋力が落ちてしまう。 息子(娘)さん、あなたを産んで育ててくれた親なんですから、介護保険や障害者総合支援法を利用して、在宅での生活を一刻も早く始めてください」

1人の入院患者に「お金しか見ていない人」「世話をしたくない家族」「福祉援助を実践する専門職」と3者の思惑が入り乱れます。

この記事は「MSW」や「退院支援」を 仕事にしたい方に、最新の知識や生々しい実践記録
をお届けする内容です。

またこの記事をご覧になれば「MSWになって高い給料をもらう方法」が分かります。

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MSWの役割

医療機関で働くソーシャルワーカーを「MSW」 と呼びます。

「MSW」は 保険医療機関において退院支援を行う「地域医療連携室」という部署に所属します。

MSWの役割をご説明します。

MSWの役割

退院支援

患者の高齢化が進み、介護保険のサービス利用が欠かせなくなりました。
入院中に、新規で介護保険を申請する患者さんもいます。
すでに介護保険を利用中の患者さんもいます。

どちらにせよ、入院中に ADL(日常生活動作能力)が低下するので、患者さんやご家族の生活様式を変える必要があります。
そのために介護保険の調整役である「ケアマネジャー」や「訪問看護師」などの在宅を支援するスタッフと連携します。
多職種連携」と呼ばれています。

この連携に決まった形はありませんが、以下の2点は欠かせません。
・ケアマネージャーが提出する「入院前の患者さんの情報」が記載された「連携シート」
・退院に向けて患者さんの家族や多職種が一堂に集って、情報共有を行う「退院カンファレンス」

MSW は「連携シート」が提出されたことを確認し、入院生活で患者さんの「ADLの低下」の度合いを観察します。
その情報をもとに「退院カンファレンス」を開催し、安心・安全な退院を目指します。

外来受診の援助

MSW は退院だけではなく、患者さんの外来受診も援助します。
外来診察を行う医者や看護師にあらかじめ、患者さんの情報を説明します。
その結果、正確で迅速な診察が可能となり「入院の防止」や「入院しても早期退院が可能」な状態を生み出します。
注意すべき点は、診療報酬上、退院支援に関わる MSW は「退院専従」と位置づけられているため、外来の援助が監査で指摘されるリスクを負います。

難しいことを書きましたが、要するに「MSWでも『外来』と『退院支援』に分かれなければならない」です。

地域ケア会議への参加

「MSW は病院の中にいればいい」という時代は終わりました。
地域で行われる「ケア会議」への参加は当たり前になっています。

私が最も記憶に残っているのは、自宅に退院した患者が死亡したケースについて「開業医」を中心とした在宅スタッフが開催した「デスカンファレンス」への参加でした。
入院中に私が行った「退院支援」と退院後の「在宅支援」が「見える化」されることで、入院担当病院と開業医との「役割」と「連携」が明確になり、相互理解も深まりました。

MSWと看護師の違い

看護師の資格を持ちながら、「地域医療連携室」で「退院支援」を行っている人もいます。
今回はあくまで、福祉専門職である「MSW」と 看護師の違いをご説明します。

退院支援における看護師の役割

MSW は福祉職であるため、「医療に弱い」のが現状です。
また MSW は現実問題として「主治医」との距離が遠いと感じています。

退院支援における看護師の役割は以下の2点です。

①医療と福祉の架け橋
②主治医と MSW の架け橋

がん患者さんを例にとると、具体的には次のようになります。

①「疼痛コントロール」を自宅でも行えるようにする。
② 往診医や在宅看取りを行う医師や訪問看護師達が主治医と連携できるように、 MSW を通じて「退院カンファレンス」 を設定、開催する。

退院支援におけるMSWの役割

医者や看護師などの医療専門職は、福祉サービスについて、まだまだ疎いです。

特に退院を焦るあまり、まだ症状が固定していないのに介護保険の調査を行うように指示を出すことがあります。
地域スタッフが在宅支援の環境づくりを終えてていない段階で退院させると、打率10割で患者さんは転倒などで再入院することになります。

MSW は地域スタッフと頻繁に連絡を取り合い、在宅の環境整備の状況をリアルタイムで看護師に報告することが求められます。
その報告を聞いた看護師が主治医に説明し、強引な退院をストップさせ、安心安全な退院に繋げます。

MSW実践記「退院支援のリアル」

インターネットで「退院支援」と検索しても、漠然とした綺麗事しか出てきません。
私が実体験した退院支援のご説明するので、MSW を仕事にした際の苦労がお分かりになると思います。

転院調整

転院調整は主に「リハビリ」 のために行います。

病院にも種類があり「救急車を受け入れる病院」「リハビリを行う病院」「透析を行う病院」「ホスピスを提供する病院」などに分かれます。

リハビリ目的の転院を行う際は「連携パス」を使用します。
「連携パス」とは、転院を迅速に行うために 医療機関同士が患者の状態を記入する用紙です。

この連携パスが、全く役に立ちませんでした。

むしろ「『杖で歩ける』は自立歩行になる? ならない?」で、 医者同士が揉めました。

「連携パス」を使えば加算がつくため、使わない転院よりはお金が稼げます。

ただし煩雑で事務量が多く、加算も微々たるもので、割に合いません。
私が勤務していた病院では「連携パス」を使っても、リハビリ転院が早まったことはありません。
むしろ、リハビリ病院の MSW が当院の患者さんを見に来てくれる機会が多い方が「転院」が早まりました。

田舎になればなるほど、転院先の病院が少なくなるため、救急病院の転院は全く進みません。
「転院が遅い!」と激怒した脳外科と整形の医者が、自宅退院させた程です。

また、ホスピス転院を行ったときは、転院先の看護師長に「患者は60日以内に死亡するのか?」と残酷な質問をされたことがあります。

病院という職場では1ミリも、綺麗事は通用しません。

在宅への退院調整

現在の退院支援の基本は「入院前の場所へ返す」です。
ですから、医療処置が増えても自宅に退院してもらいます。

まず難色を示すのが、息子(娘)です。

息子(娘)で行える医療処置を看護師が教えると言っているのに、全く来院しません。
息子(娘)は口を開けば「1日でも長く入院させてほしい」です。

主治医が息子(娘)に「退院は〇日です」とハッキリ告げれば、MSW はとても楽です。
しかし主治医は、嫌われ者になりたくないのか「退院しなさい」と言いません。

親の面倒を見たくない息子(娘)は「主治医に通院しろとは言われていない」と、 抵抗します。
主人と家族の板挟みになってMSWは疲弊します。

私は退院で揉めに揉めたケースで、結局は患者さんが天寿を全うされたケースを境に「息子(娘)を説得する」ことを辞めました。

息子(娘)が退院に納得がいっていないのであれば、看護師長に報告し、主治医に現状を伝えてもらうようにしました。
ストレスが激減しました。

退院調整ナースが急増中

「入院日数は減らす」という施策が決定したので、病院は各入院病棟に「退院調整ナース」を設置しています。
看護師不足でも、1人は「退院調整ナース」が設置されています。

「退院調整加算」で稼ぐためです。

私が勤務していた病院では「退院調整ナース」のモチベーションは非常に高かったです。

「退院調整ナース」と上手く連携できていた病棟は、入院日数が確実に減らしていました。

さらに病院で「訪問看護」が始まったこともあり、「在宅」が看護師にとって「我が事」になって、退院調整への熱心な取り組みが始まりました。

さらに「入院案内」ですら、看護師が配置されるようになりました。
これは「入院した日から退院支援が始まる」という原則に基づいています。

最近の高齢者は自宅で暮らしていても、医療処置が必要な方が多いのが現状です。
そうした方が入院によって、医療処置が変わったり増えたりするので、それを見越した退院支援を早期に行うことで入院日数を減らすことが目的です。

MSWの給料がいい求人に「社会福祉士」が欠かせない理由

MSW は「医療ソーシャルワーカー」の呼び名でした。

「ソーシャルワーカー」という呼び方自体が、社会福祉士を持っていないと名乗れません。

近年、 MSW が所属する「地域医療連携室」に社会福祉士は「いて当たり前」の存在になっています。

そもそも病院の「退院調整専従者」や地域包括ケア病棟の「専従者」には、社会福祉士を持っていないと就くことができません。

看護師でも社会福祉士やケアマネジャーの資格を取る人が増えました。
資格を共有すれば、在宅スタッフとの連携が円滑に進むからです。
よってMSWにとって「社会福祉士」は持っていて「当たり前」の時代になっています。



さらに5年間MSWとして働き、「ケアマネジャー」の資格を取ることが標準化されています。



さらにここ数年は実践経験のあるMSWがいなければ入院日数が減らせないので、引く手数多になりました。
条件がいい病院への転職もまた、標準化しています。



患者さんの命を守り、ご家族の負担を減らすため、MSWの存在意義は高まるばかりです。
ぜひとも、あなたがMSWになって強引に退院させられる患者さんを減らし、地域に貢献できる公共性が高い仕事を行ってほしいと希望しています。
この記事がその一助になれれば幸いです。

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