公務員のボーナス下がる「人事院による公務員潰し」不妊治療は前進か

公務員退職と転職

2021年8月10日、人事院が2021年度の人事院勧告を行いました。

もはや当たり前のように「公務員のボーナスを下げろ」という内容でした。
日本で公務に就く人間を蔑む方策に一石を投じたく、この記事で今回の人事院勧告を説明します。

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国家公務員のボーナス減を勧告

「人事院」は2021年8月10日、「国家公務員のボーナス減」を勧告しました。

誰に勧告したのか?

内閣と国会です。

「『内閣』と『国会』が否認すればいいのでは?」という甘い考えは、持たない方がいいです。

なぜなら「人事院総裁」は、衆議院と参議院、両院の同意を得て任命されるからです。

つまり「内閣」と「国会」が「お願いしますよ」との意味を込めて、任命します。

そんな人事院総裁が、内閣や国会の意に反する行動を起こすとは考えにくいです。

よって今回の「国家公務員のボーナス減」は、適用される可能性が非常に高いです。

国家公務員ボーナス減の中身

具体的な「ボーナス減」を見ていきましょう。

  • ボーナスについては0・15か月分の引き下げ
  • 期末・勤勉手当の年間支給月数を0.15カ月分引き下げ、4.30カ月
  • 年間給与は平均約6万2000円減少
  • 下げ幅は、昨年度の0・05か月より拡大
  • 減額は2年連続
  • 月給は据え置き

「たかが0.15%か」「年収の下げ幅は62,000円か」と安堵している場合ではありません。

減額は2年連続」この点が大きいのです。

今回の「公務員ボーナス減」と「月給据え置き」について、人事院は以下のように理由を説明しています。

・新型コロナの影響で民間企業が「おしなべて厳しい状況だった」
・月給は民間企業水準との差がわずか

公務員の賃金縮小について「時代を取り入れた」「世相を反映した」と理由づけしています。

ところが、税収は上向いていません。
少子化により、今後も税収が上向くとは思えません。

また、民間企業の給与が韓国にに抜かれ、先進国で最低水準になっています。

税収が上向く兆しが見えないので、今後も公務員の給与が上がる見通しは厳しいと言わざるを得ません。

年々、公務員のボーナスは下げざるを得ません。

さらにボーナス減少の過程で、月給の減少はおおいに考えられます。

公務員は徹底した年功序列であり、努力して結果を出しても、昇任や昇給に即座に結びつきません。

そのため、公務員のモチベーション維持は難しいのが現状です。

私は公務員だった頃、人事院勧告によって給与が下がった経験があります。

それから上がりましたが、正確には「下げた分を上げる」でした。

さらに「上げ幅」が「下げ幅」を上回ることはありませんでした。

地方公務員は他人事ではない

人事院勧告は基本「国家公務員」について行われます。

ただ、地方公務員の給与等は国家公務員に準じます。

「国家公務員のボーナスが下がったけど、地方公務員は影響が無かった」などという経験はありません。

時差は多少あるにせよ、地方公務員のボーナスと月給は国家公務員と連動しているため、必ず下がります。

緊縮財政に走っているわけでもないのに、公務員のボーナスと月給だけ下げていいのでしょうか?
公務員のモチベーションも下がりますよ?

私の同僚達の何人かは、ハロワーク通いや転職サイト、転職エージェントを利用しながら、公務員退職を視野に入れ始めています。

また私のように、専門学校に入学して資格取得を目指す「リカレント教育」のために公務員を退職する人間は増えています。

人事院とは

「公務員の給与は人事院の鶴の一声」。

公務員なら、1度は聞いたことがあるセリフだと思います。

人事院は内閣の「所管のもと」に設置されています。
つまり建前上、内閣から独立して、職務を行います。
これは公務員の採用試験や給与の勧告について、独立性を保つためと言われています。

国家公務員は憲法第15条が定める国民全体の奉仕者として公務を遂行することを求められます。
そのため、国家公務員に関するルール策定は中立的な第三者の機関が行う必要があります。

人事院は「人事官」3人で組織されています。
この「人事官」が、衆議院と参議院の両院の同意を得て、内閣により任命されることは覚えておきましょう。

また人事院の総裁も、内閣により「人事官」の一人が任命されます。

不妊治療は休暇を設立

今回の人事院勧告のもう1つの目玉が、「不妊治療を行う者への休暇を年10日、新設する」です。

「不妊治療休暇」といいます。
年間最長「10日」の有給休暇を取得できる制度です。

2022年1月の導入を目指し、対象の職員は「男女」です。

国家公務員へのアンケート調査を基に、創設されたそうです。

私は5年6ヶ月、不妊治療を行っていました。
その間、病院を5つ変わりました。

不妊治療は、「いつ休めばいいのか」が明確になりません。

実際に私は妻の体調に合わせ、役所に休暇の申請を行った経験があります。

つまり、今回の制度を新設せずとも、不妊治療で休暇をとることは可能です。
「職場の環境次第」といえます。

上司が「不妊治療」に理解が無かれば、新設の制度は絵に描いた餅です。

今回の「不妊治療休暇」で評価できるのは、以下の点です。
・基本は年間5日間。
・頻繁な通院が必要な場合は、さらに5日の申請が可能
1時間単位の取得が可能(勤務中に抜け出せる)

また少子化対対策のため、以下を進める予定です。
・男性の非常勤職員に配偶者出産休暇(2日)
・育児参加のための休暇(5日)を有給で取得

ただ先に申し上げたとおり「職場の上司が不妊治療に理解があるのか?」が重要な視点です。

本来なら有給休暇で対応可能なのに、なぜ「不妊治療休暇」を新設しなければならなかったのか?
この点を現場に浸透させる必要があります。

公務員のボーナス減は誰が得をするのか?

今回の人事院勧告により、財務省は「人件費が590億円カットできる」と試算しています。

地方公務員を含めると、総額2,030億円の人件費カットです。

対して、国の借金は1,220兆円です。

焼石に水……。

さらに給与を下げることは、公務員のモチベーション低下に繋がります。

公務員は「失業給付が出ない」などの理由で、若い人達が民間企業に流れつつあります。

日本の公務員はどうなるのか?

見通しは非常に厳しいのが現状ですが、まだ結論を出すのは時期尚早かもしれません。

終わりに「公務員はオワコン」か

公務員を取り巻く環境は、日に日に厳しくなっています。

そうであれ、役所と公務員は必要です。

情報格差が広がっているからこそ、以下の点は重要です。

・役所に来れば誰でも、自分の住民票や戸籍を手に入れられる。

・確定申告ができる。

・子ども手当の手続きができる

・自立支援給付など、福祉の諸制度が利用できる

また公務員がいなければ、「納税の義務」や「国防」「外交」「教育行政」は誰が行うのでしょうか?

痛ましい1995年の事件で出動した陸上自衛隊の「中央特殊武器防護隊」。

海洋国家である我が国の中枢を担う「イージス艦」。

航空自衛隊の「メディック」と呼ばれる部隊が、どれだけの命を救ったのか?

亡くなった父が救急隊員でしたが、消防が民営化されるようなことになれば、被害を被るのは国民です。

目先の歳出カットに走らず、公共の福祉を守り貫く姿勢が求められています。

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