生活保護のデメリット「生活保護の不正受給を許すな」水際作戦

困窮「公的扶助と生活保護」

「『働け』と言われても病気や障害のせいで働けないんだ!」

「働けるけど『クビ』になって、次の就職先が決まる間、収入が無い!」

こうした状態になると生活費に困って、恐怖のどん底に叩き落されます。

ですが、 安心してください。

「生活保護」は正に、このような方々を救うための制度です。

ただし「生活保護」は、申請や受給においてデメリットや問題点もあります。

今回の記事を読めば、生活保護の「申請」や「受給」する際の注意すべきポイントが分かります。
また「生活保護」という「最後のセーフティーネット」で働き「貧困対策」や「困窮者自立」を行いたい方の悩みが消えます。

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生活保護のデメリット

生活保護のデメリットは「申請」と「受給」に分けることができます。

生活保護のデメリット「申請」

生活保護の申請では、膨大な書類を作成せねばなりません。
その手間よりも大きなデメリットは「家族と親族にバレる」です。

生活保護の申請は家族と親族にバレる「扶養調査」

生活保護を申請すると、生活保護ケースワーカーは 基本的に「3親等内の親族」に「Aさんが生活保護を申請しましたが、あなたは面倒を見ないんですか?」という書類を送ります。

これを「扶養調査」と呼びます。

この「扶養調査」について、現場を知らない「ファイナンシャル・プランナー」達は「申請者と家族・親族の人間関係が壊れる」と根拠のない記事を書いています。

生活保護ケースワーカーをしていたとき、申請者は皆「扶養調査をどうぞ行ってください」と口を揃えました。

地方では生活保護を申請する時点で、すでに家族や親族の協力など得られていない状態なのです。

DV被害者や虐待被害者が申請した場合、扶養調査における「加害者対策」は当たり前のように行われています。

逆に扶養調査を送った家族から相談を受けました。

「面倒を見ないと返答したら、本人にバレるのでしょうか? 本人の家庭内暴力がひどかったので怖いです」

「扶養調査の結果は、本人に一切知らせません」と返答すると、家族は安心していました。

また扶養調査は、生活保護ケースワーカーにとって非常に重労働です。
生活保護は申請を受けてから30日以内に、支給の可否を決定しなければなりません。
各金融機関にヘソクリがないか確認する「資力調査」と並行して行うため、大変です。

厚生労働省は扶養調査を無くす方向

2021年3月、厚生労働省が出した「課長通知」は衝撃的でした。その内容は「申請者本人が嫌なら扶養調査をしなくてもいい」という画期的な内容でした。

ただし申請者本人は「扶養調査を行ってもいいですよ。どうせ誰も、 私の面倒は見ないので」という人間が大半です。

「扶養調査」の返答で「面倒を見ます」という回答は1度も返ってきたことがありません。
「扶養調査」をやめて欲しいのは、むしろ家族と生活保護ケースワーカーの方です。

厚生労働省が「扶養調査」を本当に無くしたいのであれば、県庁の監査をやめることです。

市役所の福祉事務所は、県庁と厚生労働省からの二重の監査を受けています。

非効率な行政はさっさとやめましょう。

「隣近所にバレない」の嘘

福祉事務所の職員は、役所の名札をぶら下げて家庭訪問します。

地方では生活保護ケースワーカーの人数が少なく、驚く早さで所属と顔を覚えられてしまいます。

車社会の福井では、生活保護ケースワーカーは公用車で移動します。

店員に断ってコンビニに駐車し、徒歩で生活保護受給者の自宅へ向かうこともあります。

地方は人の目が非常に多いです。
真昼間にスーツを着てカバンを持った男女が、 近所付き合いのない家や パチンコと酒まみれで有名な方を訪問することになります。

生活保護ケースワーカーにその気がなくても、地域の目は欺けません。

法律上も書類上も、確かに隣近所には一切バレることがありません。
ただ実際は、地方で生活保護を受ける場合は「隣近所にバレる」 ことは覚悟しておいた方が良さそうです。

「リバースモゲージ」の強要

「リバースモゲージ」とは、「自宅」を担保に 社会福祉協議会から「お金」を借りる制度です。
「返済」は死後、自宅を売却した「お金」を充てることになります。

この制度の活用を求められる事例はあります。
「お金」を借りても生活できなければ、生活保護の申請になります。

生活保護のデメリット「受給」

生活保護を受給してからも、デメリットは存在します。

通帳は24時間365日間、見張られる

「資力調査」は生活保護を受給してからも続きます。

年に1回、税務課で収入を確認します。
福祉事務所に悪意があって申告していない「労働収入」や「臨時収入」が大量に見つかります。
未申告の収入は、法で定められた利子をつけて返還することになります。

支援団体は生活保護受給者に対して「権利」を入れ知恵するだけではなく、真実をアドバイスべきです。
「収入は必ず行政にバレます。収入を申告しないと、余計な金額を役所に納めることになります」

お子さんの「高校進学」や「大学進学」の貯金をする場合は、「試験料」「入学金」「授業料」の資料を添えて福祉事務所に報告しましょう。

大学で一人暮らしが想定される場合は、その街の不動産会社に電話して、賃貸の相場がわかる資料を郵送してもらい、福祉事務所へ報告しましょう。

「家庭訪問」は不意打ちに

年に数回、生活保護ケースワーカーは受給者の自宅を訪問します。
この訪問は原則「抜き打ち」です。

事前に訪問が知られてしまうと、所有を許されていない車などを隠されてしまうからです。
また、報告していない同棲者が逃げてしまうからです。
(福祉事務所に報告していない同棲者がいた場合は、直ちに生活保護が停止されても文句は言えません)

留守が続けば「現住所に実態なし」として、保護停止や打ち切りにつながります。

生活保護を受給後は、24時間365日、自宅を小綺麗にすることが要求されます。
自宅が不潔というだけで「だらしない生活を送っている」として、指導を受けます。

ただし「自宅の整理整頓ができていない」だけで、保護費の減額や停止には繋がりません。
「ゴミ屋敷」で地域に迷惑をかけている事例以外で、「自宅の不衛生」で保護費を削減された場合は、無料で弁護士に相談できる「法テラス」 などで相談してください。

「物」が所有できなくなる

生活保護を受給すると、 以下の3点は所持できません。

①自動車
②生命保険
③贅沢品

「自動車」は、売却するように指示を受けます。
憲法で保障された「最低限度の生活」に該当しないと解釈されているからです。

生活保護を受けていない方でも、車の購入・維持ができない方が大勢います。
「社会の公平性」 という観点からも、妥当な措置だと思ってください。

「生命保険」も解約するように指示を受けます。
生命保険は貯蓄性が高いため、解約返戻金で当座の生活費に充ててもらうためです。

不景気で貯金を切り崩して生活している方々がいる現状では、妥当な措置だと思ってください。

贅沢品は論外です。
パソコンやスマホでも、2台目以降の所持は許されません。
防災や1次情報取得のために、「テレビ」「ラジオ」「新聞」は許可されています。
しかし、これらの品物であっても豪華なものは購入できません。
購入前に必ず福祉事務所と相談しましょう。

「地上げ」は突然に

「家賃が高い賃貸に住んでいるので、生活が出来ません」

「高級住宅地にデカイ家を建てて住んでいるので、固定資産税が支払えません」

上記は極端な例ですが、特に家賃が高い賃貸に住んでいる場合は、安い賃貸へ移動するよう指導を受けます。

「家を売れ」と指導したことはありません。
地価が高い都会では、有り得るかもしれません。

そうであっても「生活保護」は「現住所」がないと受給できないため、次の住居が見つかっていない段階で「転居」を強制されることはありません。

「住む家がない」場合や「 DV 被害者」の場合は、「施設への入所」という方法もあるため、福祉事務所に相談してください。

「ローン」は組めないし「クレジットカード」は作れない

「ローン」や「クレジットカード」で「お金」を借りれる能力があるのであれば、「それで生活してください」という話になります。

福祉事務所の「資力調査」は「借金」にも及びます。
「夜の水商売で現金手渡し」以外の収入は、全てバレると思ってください。

生活保護の不正受給を許すな

生活保護制度の運用において、これだけ「福祉事務所」が「調査」を行うのは「不正受給」がまかり通っているからです

厚生労働省によると、2016年度の生活保護費の不正受給は「4万4466件」です。
2年連続の増加で、過去最悪を記録しました。

新手の不正受給が生じたわけではなく、「収入調査」を厳しく行った結果です。

不正受給者が原因で、本当に生活保護が必要な方々が色眼鏡で見られてしまいます。
また本当に「生活保護」を必要としている方が「申請」しにくくなっているのが現状です。

では具体的に、不正受給の例を見ていきましょう。

京都市で男が逮捕される

2021年7月19日、生活保護費200万円を不正受給した男が逮捕されました。
男は飲食業を営む30代でした。

男は2018年12月~2019年4月まで、日雇い労働をしていたにも関わらず、収入を福祉事務所に報告していませんでした 。

男は申請時点で働いており、月収が20万円から30万円あったとのことです。
通帳は京都市の市役所が調べているはずなので、タンス預金の可能性が高いです。

岡山県で女が逮捕される

2021年8月26日、生活保護費165万円を不正受給した女が逮捕されました。
女は自称無職で、 50代でした。

女は2015年1月から2020年4月まで、犬のブリーダー業などの収入がありながら、申告を怠っていました。

本件は福祉事務所の調査で発覚したわけではありません。
2020年4月に女が、コロナウイルスによる収入源で社会福祉協議会に相談に行ったことで発覚しました。

さいたま市で「生活保護ケースワーカー」による不正受給が発覚

さいたま市の男性職員が、生活保護受給者に1271万円を不正に支給していました。
さらにこの職員は、自費でも80万円を不正に支給していました。

この職員は経緯について以下のように語っています。

「小規模な事業を営む人間から執拗に要求され、抵抗できなかった」

さいたま市は第三者委員会を設置し、対応しています。

不正受給の大半が「収入の未申告」です。
「逮捕」の事例もあるので、生活保護受給者は収入があった場合、速やかに福祉事務所に報告しましょう。

生活保護の「水際作戦」とは

生活保護といえば悪名高き「水際作戦」があります。

「水際作戦」とは、福祉事務所が難癖をつけて「生活保護を申請させない」という違法行為です。

私が生活保護ケースワーカーだった頃は、県庁の監査で「水際作戦を行っていないか?」が厳しくチェックされました。

生活保護の申請自体は、日本人全員に認められた権利です。
この権利を行使することを拒む行為は、直ちに違法です。

もしも「生活保護の申請を受け付けてもらえなかった」という事態に直面したら、県庁に電話で報告しましょう。
それでも埒が明かなければ、無料で弁護士に相談ができる「法テラス」の利用を検討してください。

生活保護の「硫黄島作戦」とは

「水際作戦」の進化版で「硫黄島作戦」があります。

「硫黄島作戦」とは、「一旦上陸させる」=「一旦、生活保護を受給させる」です。

生活保護を受給させ、医師の診断に同行し、受給者の耳元でこう囁くそうです。

「働ける体なのに、生活保護を受給して恥ずかしくないのか?」

「水際作戦」が直ちに違法なため、苦し紛れに開発されました。

私も含めた周囲の生活保護ケースワーカーにとって「水際作戦」は論外ですが、「硫黄島作戦」はこんな感想を抱きます。

「醜い作戦を実行して、福祉事務所の評判を落とさないで欲しい」

「生活保護ケースワーカーは忙しいのに、無駄でセコいことをしている」

「救護施設」とは

生活保護を受給しても、 自宅で生活できない方々がいます。
そんな方々が入所する施設が「救護施設」です。

私は「救護施設」で5年間働いていました。

救護施設は「生活保護法」で位置づけられた施設です。
条件が「生活保護を受けていること」なので、入所者は多様です。

私が勤務していた生活保護施設では、200名の入所者がいました。

現在は高齢化が進み「救護施設の老人ホーム化」が問題になっています。

夜勤の時に、20代の元薬物中毒の男性の相談を聞いた後、90代の男性のオムツ交換のためダッシュしたのはいい思い出です。

生活保護は福祉の分野において「児童福祉」以外の全てを網羅しています。
救護施設で勤務すると、他の事業所で勤務するより、 より多くの「知識」と「実務年数」を重ねることができます。
志のある福祉職は、救護施設への転職を検討することをお勧めします。



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