「変な絵」のあらすじネタバレ解説|作者の雨穴とは?狂った母性愛

「変な絵」のあらすじネタバレ解説|作者の雨穴とは?狂った母性愛 小説
「変な絵」のあらすじネタバレ解説|作者の雨穴とは?狂った母性愛

YouTuberの雨穴が書いたミステリーホラー小説「変な絵」のあらすじやネタバレをご紹介します。

この作品の感想を一言で表せば”狂った母性愛”となりますが、それだけにとどまりません。

雨穴はデビュー作「変な家」で見せて魅せた”伏線職人”としての腕を本作でも存分に振るっています。

本作は自信をもってお薦めできますが、ホラー要素が強いので(怖いので)、未読の方も多いでしょう。

そこで今回は、ネタバレ無しのあらすじをご紹介します。

次の章はネタバレ解説となりますので、未読の方は最終章の作者・雨穴の紹介まで飛んでいただけると幸いです。

謎の小説家&YouTuberの素顔に迫っているので、ぜひ最後までご覧ください。

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「変な絵」のあらすじ

「変な絵」はプロローグから始まって、第一章~四章そしてエピローグまでの六部仕立てになっています。

ここからはネタバレにならないように、各章をご紹介していきます。

プロローグ・女心理学者の萩尾「それではこれから、一枚の絵をお見せします」

女心理学者の萩尾は学生に一枚の絵を見せました。

変な絵あらすじネタバレ解説1

変な絵あらすじネタバレ解説1

萩尾によると、この絵の作者は何と11歳で母親を殺した少女だというのです。

萩尾は学生に、この絵のおかしな点を説明します。

それは次の3点でした。

1.女の子の口がギザギザ
2.家に扉が無い
3.木の枝が尖っている

また萩尾はそれぞれについて、次のように解説しました。

1⇒「上手く笑っていないと(母親に)殴られる」
2⇒「自分の中に閉じこもっていたい」
3⇒「傷つけてやる」「刺してやる」

しかし萩尾はこの少女を鑑定した際、更生の余地ありと結論を下しました。

理由は木のウロに鳥があることから「少女は庇護欲が強く、母性愛が強い」と判断したからです。

つまり守る対象があれば、彼女の優しい心は育つであろうと……。

この判断は正しかったのでしょうか?

第一章「風に立つ女の絵」

就活中の大学生・佐々木は、後輩の栗原からホラーちっくなブログを紹介されます。
※栗原は卒業後、建築家となって「変な家」で大活躍します。

そのブログのタイトルは「七條レン 心の日記」でした。

そして最新記事は次のように書かれて更新が途絶えています。

今日で、このブログを更新するのを止めます。
あの3枚目の秘密に気づいてしまったからです。

あなたが一体どんな苦しみを背負っていたのか、僕には理解することができません。
あなたが犯してしまった罪がどれほどのものなのか、僕には分かりません。
あなたを許すことができません。
それでも僕はあなたを愛し続けます。

そしてブログには、5枚の絵が掲載されていました。

変な絵あらすじネタバレ解説2

変な絵あらすじネタバレ解説2

この絵は、レンの妻であるユキが描いたとブログには記されていました。

栗原はすでに、絵の謎を解いていました。

佐々木は必死に考えた末、”だまし絵”であることを見破ります。

すると、次の3枚の絵を重ねたとき、戦慄の事実が浮かびました。

1.老婆が祈るような絵はそのまま
2.赤ん坊の絵は逆さまにする
3.女性の絵は左に90度、回転する

すると、老婆が妊婦の腹から赤子を取り出している一枚の絵になるのです……。

つまり三枚の絵が意味するのは、次のようになります。

白装束(白衣)を老婆が、女性の腹から赤ん坊を取り出している

看護師が、逆子だったユキの子を無理矢理、腹から取り出している

出産において、計画殺人が行われた

このだまし絵のカラクリに気付いた佐々木は、次のような仮説を立てるのでした。

・過去、ユキは何らかの罪を犯した。
・そのことで、ユキを恨んでいた産婦人科の職員は無理な出産方法を進めることで間接的に雪を殺害しようと企んだ。
・ユキはその企みに気づき、ダイイングメッセージとしてだまし絵を書いた。
・それに気付かず、レンは喜々として絵をブログにアップした。
・ユキの死から数年後、レンはだまし絵の秘密に気付き、ユキの死の真相と彼女の罪を知った。

しかしこれは、佐々木の仮設に過ぎません。

栗原は佐々木に、何があっても事実を解明すると約束したのでした。

第二章「部屋を覆う、もやの絵」

今野優太は、6歳の保育園児です。

優太は3年前に、父親を亡くしました。

その優太が保育園で書いた絵が原因で、騒ぎになりました。

変な絵あらすじネタバレ解説3

変な絵あらすじネタバレ解説3

優太の”母親”である直美は最近、誰かに尾行されていました。

直美は優太も尾行者に気付き、その不安が顕在化したと……勘違いしていました。

ある日、優太が行方不明になります。

絵から直美は、優太が”本当の母親”に会いに行ったことを悟ります。

そして墓地へ。

優太は、墓地にいました。

優太の実の母親は、亡くなっていたのでした……。

そして直美の実年齢は、65歳であることが文中で明かされます(叙述トリック)。

安心したのも束の間、尾行者が部屋に侵入してきました。

しかし直美は、尾行者の腹を包丁で刺したのでした……。

第三章「美術教師 最後の絵」

美術教師の三浦が、山で殺害されました。

しかも、惨殺だったのです。

三浦は熱血が過ぎるきらいがあり、妻や美術部の部員、友人から嫌われていました。

三浦の死を、新聞社の岩田と熊井が追うことになります。

岩田は、三浦が残した最後の絵=ダイイングメッセージに注目します。

変な絵あらすじネタバレ解説4

変な絵あらすじネタバレ解説4

この絵は、美大を出て、美術部顧問であった三浦にしては下手です。

この事件の容疑者は、3人でした。

1.三浦の妻・直美
2.三浦の美大時代の友人・豊川
3.三浦の教え子・亀戸

しかし岩田は犯人を絞れず、三浦が殺された山へと昇ることにします。

現場で寝袋に入って眠る岩田。

目が覚めると、岩田は寝袋ごと拘束されていました。

そして岩田は、次のことに気付きました。

1.三浦が惨殺されたのは、アリバイ工作のために死体を損壊する必要があったから
2.三浦の絵には、アリバイ工作を破るメッセージ=「朝まで自分は生きていた」という意味があった
3.絵が下手だったのは、今の岩田と同じく、寝袋で拘束されたまま描いたから

それに気付くも遅く、岩田は”女”に三浦と同じ方法で惨殺されてしまいます。

岩田は最後に、三浦と同じ絵を描いて、ダイイングメッセージにします。

時は流れて……。
(ここの展開は急過ぎて意味不明でしょうが、次章で明らかになるので心配無用です)

尾行者の腹を刺した直美でしたが……。

尾行者は、直美にこう叫びました。

俺は記者の熊井という者だ。
久しぶりだな、三浦直美さん。
いや、今は旧姓に戻したから、今野直美さんか。

おい、応援を頼む!

表にいた警察が雪崩れ込み、直美を逮捕しました。

最終章「文鳥を守る樹の絵」

この章は、逮捕された直美の回想です。

直美は母と不仲で、虐待されていました。

大事にしていた文鳥を母に殺されそうになり、カッとなってしまいました。

そして直美は、母を殺してしまったのです。

直美は施設で育つことになりました。

そこで直美の”絵”は、女心理学者の萩尾が分析することになったのです。
(プロローグに戻ると分かりやすい場面です)

直美は”助産師”の資格を取り、働き始めます。

そして直美は、三浦と出会い、結婚します。

そして”武司”という子どもをもうけました……。

幸せになるはずが……。

武司への三浦の教育は、熾烈を極めました。

そこで直美は……。

ネタバレになるので、ここからは次章に譲ります。

エピローグ・女心理学者の萩尾「今、彼女の中の木はどんな枝をつけているのか?」

全てが終わったあと、萩尾はゾッとしていました。

萩尾はもう一度、絵を分析してみました。

変な絵あらすじネタバレ解説1

変な絵あらすじネタバレ解説1

鳥(文鳥)がいる木の枝が尖っているのは……。

誰かを護るためなら、直美は尖れるのではないのか?

その”枝”は今、どうなっているのか?

未読の方への大事なお願い!

あらすじ紹介でも結構なネタバレのような気もしますが、次章からは徹底的にネタバレします。

ぜひ本書をご覧になったうえで、お進みください。

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「変な絵」のネタバレ解説


三浦の武司への熾烈な躾に耐えかねた直美は、彼が山へ登った際に惨殺しました。

アリバイトリックを利用しますが、これは岩田が見破ったとおりでした。

岩田の死体から同じ”絵”=ダイイングメッセージを受け取った熊井は10年をかけて真相に辿り着きます。

そして岩田の無念を晴らすため、我が身を犠牲にして(尾行者となり)直美を挑発したのです。

直美の変質的な殺害欲求というか破壊欲求に描けたわけです……雨穴先生、苦しいですよ?

本作の残念な点は、次に譲るとして……。

直美は三浦殺しを隠蔽するため、岩田と豊川も殺害したのでした。

熊井は三浦と岩田が残した絵の”本当の意味”に辿り着きます。

朝にしか見られない絵=朝まで二人が生きていた=アリバイを偽装できた(得をした)人間が犯人だ!

これに該当するのは、三人の容疑者の中で、直美だけだったのです。

直美は武司の嫁となったユキ(ブログに出てきた女)に女として嫉妬を覚えます。

”母親は常に自分だ! 自分一人だ!”

ユキが通っている助産院は、直美の勤め先でした。

逆子だったユキの血圧を何とか上げて、出産中の脳出血を起こして死亡させたのです。
(雨穴先生、この部分はかなり苦しいですよ?)

年齢的にはママではないものの、直美は優太に自分を”ママ”と呼ばせたのでした。

ブログを書いていた”レン”(武司)はユカが残した絵からそれを知ってしまったのです。

そして途方にくれ、自殺してしまいました……。

腹を刺された熊井は、入院していました。

そして病室が偶然、栗原と同室になります。

栗原は熊井に、ブログを解析した結論を説明します。

栗原は熊井の身の上を知ったうえで、取引を持ち掛けます。

栗原はブログを解析したお陰で、直美の余罪(ユカ殺し)を把握しています。

そのブログタイトルを教えるかわりに、熊井は癌の手術を受ける――これが、栗原の条件でした。

手術を受けて、一人になった優太の面倒を見ること。

熊井は栗原の情報量に驚きます。

栗原は「大学時代の先輩との約束を果たすため」と説明したのでした。

残念な点

本作の残念な点は、次のとおりです。

・熊井が尾行者となっても、直美が刺す=暴行するとは限らない
・これは正当防衛ともいえ、果たして警察は直美を逮捕するだろうか?
・日本では限られたケースでしか、囮捜査は許されていない
・胃の消化物のみで犯行時刻を決めさせるために惨殺……苦しい
・終盤、”絵”は意味を成さない=直美の大河ドラマ(それが面白いんですが)
・絵は何度も出てくるが、時系列表を挿入すると分かりやすかった
・豊川の自殺をどうやって偽装できたのか?
・ブログに絵を残したのはユカだが、どうやって彼女は直美の殺意に気付いたのか?

とはいえ、本当に楽しめた作品でしたよ。

「変な絵」の感想を一言で”狂った母性愛”

直美の殺人を時系列で表すと、次のようになります。

母親

夫の三浦

新聞社の岩田

三浦の友人・豊川

武司の嫁・ユカ

何と五人……。

狂ってますよね……。

しかも動機は総じて「子どものため」=「母親としての自分を守るため」

子どものためと言いながら、子どもの武司を自殺に追い詰めてますし……。

何というか、女の執念が間違った方向へ行き過ぎたというか。

狂った母性愛の持ち主は、本当に怖いと思いました。

作品は、不気味は絵の謎を解く終盤までは、ホラミスの醍醐味が満載でした。

畳み込むような伏線回収もお見事でした!

作者の雨穴とは?

本作の作者は、雨穴先生です。

雨穴先生はYouTuberで出発し、作家デビューを果たしました。


デビュー作は40万部を超え、映画化も決まった「変な家」です。


本作に劣らず、ホラミス要素が強いので、お薦めです(本作ほど、伏線はありません)。

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雨穴先生のご紹介をいたします。

2018年、ウェブメディア「オモコロ」の新人賞に記事「VRAVよりも楽しくAVを見る方法」を応募したことをきっかけに、オモコロのメンバーとしてウェブライターの活動を開始。
初投稿の記事は「少女の涙をぬぐえるウォーターサーバーをつくった。」で、2018年5月12日に投稿されている。

引用:Wikipedia

デビューがAV……意外ですよね、小説の面影が無くて。

雨穴先生が尊敬するのは、サザンオールスターズの桑田さんだそうです。

サザンのエロチックなノリが好き! とインタビューで読んだ記憶があります。

雨穴先生は、日本のホラミス界を引っ張るリーダーとして期待されています。

雨穴先生、新作を期待しております。

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