福祉用具の貸与と購入「福祉用具専門相談員の資格と求人」つらい仕事

肉体と身体障碍

「福祉用具を買ったのに、どうして10割負担なんだ!」

MSW時代、患者の家族何人かから、実際に怒鳴られました。

こういった方々は例外なく、福祉用具の知識が無く、勢いで購入してしまった方々です。

福祉用具には「貸与」と「購入」があり、さらに「償還払い」という制度があるなど、非常にややこしいです。

この記事をご覧になれば、以下のお悩みを解決できます。

・福祉用具の「貸与」と「購入」って何が違うの?
・障害があるのだけれど、福祉用具は役に立ってくれるの?
・福祉用具専門相談員をしていますが、仕事がきついです。どうしたらいいでしょうか?

福祉用具とは? 福祉用具って役に立つの?

ここでは「介護保険」の対象となる「福祉用具」についてご説明します。

福祉用具の利用者は約200万人と年々増加しています。
福祉用具は、日常生活を助けてくれます。
また、リハビリ用としても使えます。

福祉用具を導入したおかげで、リハビリやヘルパーの回数を減らせて、 お財布が楽になった事例があります。

またMSW時代、高齢の夫婦で「夫は寝たきり」という世帯がいました。
その夫が入院中に、福祉用具の導入が決定しました。

妻がリモコンで操作して、ベッドから車椅子、シャワーチェアへと移動する大掛かりな福祉用具でした。
操作を一回で覚えられるはずもなく、退院に向けて妻は福祉用具専門相談員の使い方を「言葉」や「実践」で教わりました。

初めて妻が福祉用具の使用に成功した時には、ご本人も喜びで興奮し、夫も笑顔で顔をくしゃくしゃにし、私と看護師は驚きとともに大絶賛したものです。

家族が身体に障害を負うと、途方に暮れます
「自分だけで介護しないといけないのか?」と不安になります

そこで一人で考えずに、市役所や社会福祉協議会に相談してみてください。

ご紹介した夫婦のように、福祉用具1つで今後の生活に希望が持てることは実際にあります。

福祉用具を利用するにあたって、最もややこしい「償還払い」をご説明します。

償還払い

償還払いとは、自腹で商品を購入しますが、支払った金額の原則9割が返ってくる制度です。

つまり結果的には、1割負担になります。
なお、各年度ごとに10万円が上限というルールがあります。
さらに所得によっては、負担が2割が3割になることがあります。

福祉用具償還払いは、手続きなどが非常に煩雑です。

介護保険を利用されている方は、必ずケアマネージャーに相談してください。

障害者サービスを受けている方は、必ず相談員と打ち合わせてください。

介護保険や障害者サービス の対象とならない方でも、市役所の窓口で「福祉用具を使用したい」旨を相談して、「福祉用具専門相談員」を紹介してもらってください。

福祉用具は QOL(生活の質)向上で、大活躍しています。
反面、制度がややこしいのも事実です。

必ずプロ=専門家に相談しましょう。

独断で購入して、市役所の窓口で「どうして償還払いの対象ではないのだ!」と揉めても、法律で決まっているので「償還払い」の対象にはなりません。

福祉用具専門相談員は、そうした役所との窓口における事務を、代行してくれるケースが大半です。

ご自身が得をされるために、福祉用具選びの段階から担当の専門家を決めておきましょう。

福祉用具の貸与と購入

具体的な品目を見て行く前に、福祉用具がなぜ「貸与」と「購入」に分かれているのか、ご説明します。

例えば車椅子は「貸与」になります。
車椅子は社会福祉協議会で無料で借りることができます。
またイベント会場でも、無料で借りることができます。

福祉用具の「貸与」の定義は「他の人が以前使っていましたが、衛生処理を施したので使えます」になります。

ですから大半の福祉用具は「貸与」がメインになります。

福祉用具の「購入」しか許されていない品目は、排泄や入浴に使う品です。

これらは衛生処理も可能ですが、「人情として、他の人が使った物は気分的に嫌ですよね?」という意味があります。

「貸与」の品目を「購入」しても、償還払いの対象になるかどうかは「ケアマネジャー」か「福祉用具専門相談員」に必ず相談してください。

都道府県が福祉用具の販売所などを決めているため、自治体で差があるためです。

では具体的にそれぞれの「品目」を見ていきましょう。

福祉用具の貸与

該当する品目は以下の通りです。

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・車椅子
・車椅子付属品
・特殊寝台
・特殊寝台付属品
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・手すり
・スロープ
・歩行器
・歩行補助つえ
・認知症老人徘徊感知器
・移動用リフト

福祉用具の購入

福祉用具の購入は「自治体が指定したお店」あるいは「品目」を購入しないと、介護保険の給付の対象になりません。

該当する品目は以下のとおりです。

・腰掛便座
・自動排泄処理装置の交換可能部品
・入浴補助用具
・移動用リフトのつり具の部分

先ほどご説明したとおり、排泄や入浴にかかわる品目は「購入」の対象になります。

福祉用具専門相談員とは

福祉用具専門相談員とは、福祉用具のアドバイスのスペシャリストです。

国家資格ではありませんが、公的資格です。

※「介護保険制度では福祉用具の事業所において『福祉用具専門相談員を2名以上配置すること』が義務付けられている」=公的資格と見なします。

福祉用具のマーケットは国内だけで、約3千億円を超えています。

国際展示会では14か国1地域より438社の企業・団体が参加しています。

高齢化が止まらず、 AI とロボットが進化している昨今、福祉用具は間違いなく伸びる産業だと言えそうです。

福祉用具専門相談員の資格と求人

福祉用具専門相談員の資格

福祉用具専門相談員になるには、指定された講習を受講し、試験に合格しなければいけません。

なお、以下の資格を保有している場合は無条件で福祉用具専門相談員になれます。

・社会福祉士
・介護福祉士
・看護師
・理学療法士
・作業療法士
・義肢装具士
・保健師
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福祉用具専門相談員の求人

厚生労働省の調査によると、約47万人が福祉用具専門相談員として働いています。

求人は、どの都道府県でも「ある」と考えてもらっていいと思います。

表に出ている求人だけで、600件を超えています。

職場は地方の小さな事業所から、都心の大規模な企業まで様々です

福祉用具専門相談員の給与

平均年収は約323万円です。
月給では約27万円です。

他の職業より低い結果になっています

介護保険では、福祉用具の貸与や購入にあたって自己負担が出ないように、10万円以内に収めようとします。
こうした背景からも、給与が伸びにくいのが業界の常識となっています。

しかしパラリンピックの陸上競技で、車椅子の性能がタイム縮小に繋がりました。
また AI やロボットの普及によって、医療との融合が進むため、これまでの相場通りに行くとは限りません。

福祉用具専門相談員はきつい

MSW 時代、福祉用具専門相談員から「仕事がツラいトップ3」を聞いていますので、ご紹介します。

肉体的にきつい

福祉用具は重いため、それを運ぶ相談員達は常に息を切らせていました。
また、福祉用具の使い方を家族に教える際は、利用者の体を支えるなど、肉体労働です。

知識のアップデート

福祉用具の世界は日進月歩です。
常に進化しているため、ノルマを果たすためには、知識をアップデートするしかありません。

書類仕事が煩雑

福祉用具専門相談員は、福祉用具サービス計画書を作成する必要があります。

また、ケアマネージャーや相談員との話し合い次第では、役所の窓口業務を行うことになります。

肉体作業ができるからといって、誰にでも務まるというわけではありません。

終わりに

高齢化が止まらないのに、 介護保険の支出を抑える――というのが施策です。
ということは、訪問看護の看護師やヘルパーの単価が上がるとは考えにくい状況です。

その代替として、福祉用具の活用は進むでしょう。

同業他社に転職したり、業種に転職したりして、活気を取り戻す福祉用具専門相談員を数多く見ました。
医療・看護・福祉・介護求人サイト【ジョブメディカ】

それよりも多く見たのは、福祉用具で救われた利用者と家族を見て、静かに微笑む福祉用具専門相談員の姿でした。

仕事のやりがいは一人一人違います。どうかご自身に合った職業を選択して、 ご自分の人生を大事になさってください。

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