「成績が落ちたから引きこもります」
「就活に失敗したから引きこもります」
「病気になったから引きこもります」
「失恋したから引きこもります」
下らない理由……本当にそうでしょうか?
これらは実際に引きこもりになったトリガーです。
さらに引きこもりの当事者団体は、「ひきこもり宣言」を発表。
無関係ではいられない「引きこもり」のリアルとひきこもり人権宣言をご紹介します。
引きこもりの人数「みんなでひきこもれば怖くない」
内閣府の調査によると、ひきこもり状態の人(半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、趣味の用事やコンビニに行く以外に自宅から出ない人と定義)は全国に115万人います。
原因は学校でのいじめや進路のつまずき、職場の人間関係など。
原因や背景は様々ですが国の支援は就労一辺倒で、本人の意思は長年置き去りにされてきたのが現状です。
コロナ禍で孤立・孤独対策に注目が集まり、国もようやく居場所づくりなどに本腰を入れ始めたものの、世間の偏見は根深いまま。
引きこもり支援センターって何?
ひきこもりに特化した専門的な相談窓口としての機能を有する「ひきこもり地域支援センター」が都道府県、指定都市で運営されています。
ひきこもり支援センターでは、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士などがひきこもり当時者が家族の支援を行います。
しかしこのセンター、すこぶる悪評です。
「役に立っていない」とのクレームが。
センターが具体的に行っている支援を次でご紹介します。
引きこもり対策って役に立ってる!?
すべてのひきこもりに「治療」や「支援」が必須というわけではありません。
①何らかの目的を持ってひきこもっている
②経済的・環境的にひきこもることが可能
このような方にまで支援を押しつけることは間違いです。
しかし、多くのひきこもりがひきこもり状況に苦しみ、脱出を望んでいます。
また、ひきこもりによる長期の孤立状況は、心身にさまざまな悪影響をもたらすことには医学的な根拠もあります。
当事者や家族が何らかの支援を望む場合に、医療を含む様々な支援手段や社会資源を利用することが可能です。
よってひきこもりから脱出するためには「ひきこもりシステム」を解決のシステムに近づけていくことになります。
家族相談
ひきこもっている当事者が最初から医師のもとに来ることは難しいケースが多く、家族(両親)による相談から始まります。
「本人がいなければ無意味では?」という疑問もあるかもしれませんが、家族相談は非常に有意義です。
まず、医師が家族から間接的に情報を得て、受診や介入のタイミング、方法を練ることができます。
さらに、ひきこもり初期の段階で家族に適切な対応方法を伝えることで、親子関係の改善をはかることができるのです。
個人療法
医師によるカウンセリングなどの精神療法が主な内容になります。
当事者からの相談に医師が答えを示すこともあれば、雑談に終始することもあります。
話の内容よりも、外出して他人と話をする習慣を身につけることが大きな成果となります。
集団適応支援
家族とのコミュニケーション、医師とのカウンセリングがうまく行ったら、次は家族以外の他人と触れ合う経験を重ねるきっかけを探ります。ひきこもりの方が参加しやすい場として、さまざまな問題を抱えた方同士が集まり、相互に語り合うことで問題解決をはかる自助グループや、病院(クリニック)や保健センターなどで行われるデイケアなどがあります。
引きこもりの婚活事情「引きこもりだって結婚したい!」
20代を筆頭に結婚適齢期が多いひきこもり。
本人達も結婚願望はあるものの、苦戦しているのが現状です。
まずは仕事を見つけるがいいかもしれません。
コロナ禍でリモートが当たり前になったので、就活はそれ程、難しくなくなりました。
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ひきこもり人権宣言
「ひきこもることは、命と尊厳を守る権利の行使である」。
そんな書き出しで始まる〈ひきこもり人権宣言〉。
作成したのは、かつてひきこもりや不登校を経験したり、さまざまな形で当事者とかかわったりしている当事者です。
無理やり施設に連れて行く「引き出し屋」
「『突拍子もない。何を言ってんの?』という受け止めが多いと思いますが…」。
2021年12月23日、東京・霞が関の厚生労働省。
記者会見した3人の男性は資料を読み上げました。
第1条 ひきこもる権利(自由権)
第2条 平等権
第3条 幸福追求権
第4条 ひきこもる人の生存権
第5条 支援・治療を選ぶ権利
第6条 暴力を拒否する権利
第7条 頼る権利―。
人権宣言は全部で7つの条文と3万5千字におよぶ解説で構成されていました。
第3条の幸福追求権を詳しく見ていきましょう。
〈ひきこもり当事者は、自分らしく生きるために、自己決定権を行使でき、他者から目標を強制されない〉
宣言作成の中心となったAさんは自宅で浪人中にうつ状態になり、10年近くひきこもりに。
独学で司法試験を目指すものの、勉強が思うようにいかず。
国鉄マンだった父は社会の規範や常識をことさら気にする人で、大学卒業後も仕事に就かないAさんを責めました。
「『かごに乗る人 担ぐ人 そのまたわらじを作る人』ということわざがある。いいかげん、分をわきまえて諦めろ」
Aさんは2016年にタブロイド判の「ひきこもり新聞」を創刊。
当事者メディアの先駆けに。
きっかけは、あるテレビ番組。
親の依頼を受けた業者が自宅に突然現れ、自立支援と称して子どもを無理やり施設に連れて行く「引き出し屋」と呼ばれる業者の存在を、好意的に取り上げました。
暴力的『ひきこもり支援』施設問題を考える会
ひきこもっているというだけで、なぜ不当な仕打ちを受けなければならないの?
そんな疑問を抱いたひきこもり経験者や精神保健福祉士らと「暴力的『ひきこもり支援』施設問題を考える会」を結成。
被害者への聞き取りや当事者から公募で寄せられた意見などを参考に、約2年半かけて宣言をまとめました。
ひきこもりのジレンマと「頼る権利」
Aさんはジレンマを抱えます。
「ひきこもったままではやっぱり良くないんじゃないか、という批判は当然くるだろうなと。そこにどう回答するのか、最後まで悩みました」
▽頼る権利
今回の宣言は、ある文章がモデルになっています。
今から10年あまり前に出された〈不登校の子どもの権利宣言〉。
フリースクールやフリースペースに通っていた人たちが発案し「私たちには、学校へ行く・行かないを自身で決める権利がある」と声を上げたのです。
その後、不登校への理解や法整備が徐々に進み、学びの選択肢が広がりました。
しかし、ひきこもりはどうでしょう?
先述の「引き出し屋」と呼ばれる業者の多くはホームページ上で「このままでは手遅れになります」と危機感をあおります。
わらにもすがる思いの親と契約。
中には支援とは名ばかりで、1千万円にも上る高額な代金を支払わせるケースも。
脱走した当事者による集団提訴も起きているものの法的規制がなく、野放し状態です。
Bさんは
「引き出し屋のような悪質業者が生まれる土壌に、ひきこもりに人権なんてモノはいらないんだという差別意識がある」
と訴えます。
そんなBさんは高校時代に不登校となり、大学卒業後もひきこもったままの状態になりました。
親や家族の相談活動の傍ら、本人が楽で、楽しく、安心して暮らせるような「ひきこもりQOL(生活の質)の向上」を提唱。
その先に、自分らしい生活を自己選択し、自分なりの人生を歩んでいけるようになる真のリカバリー(回復)があると提唱します。
アベプラで見るネットの反応
ABEMA 変わる報道番組「アベプラ」でネットの反応を見ていきましょう。
【当事者】「人生難しい。どうしようもない」当たり前の押し付けが生きづらさに?なぜメディアは引き出し屋を取材?ひきこもり人権宣言を解説|#アベプラ《アベマで放送中》
ABEMAの公式サイトはこちらから
ネットの反応を見ていきましょう。
>こうした話題を取り上げて番組にしてくれるだけで嬉しい。
たくさんの人の意見がコメントで読めるし、地上波放送ではもうみることはできない。
>人はそれぞれ違った性格、特徴をもって生まれて、違った背景をもっていることを例外なく、認識できる人が増えるといいよね。
>過重労働とパワハラが原因で、うつ病で休職&退職しました。
はっきり分かったことは、
個人の努力だけではどうにもならないこと
>自分が引きこもったときは甘えや怠けが多かったような気がするけどそれでもかなり辛かった。
人間の容量って人それぞれ違うから僕は容量が少なかったんだと思います。
そして容量が少ない人や普通の人と同じくらいの容量でも誰かの言葉などで傷ついた人にお前は甘えてるんだよって言うのは言われた側にとってマイナスなことしかないし自分のことを考えても発さない方が良い言葉だと思います。
僕は中学で経験したので時間とやりたいことが引きこもりをゆっくりと解決してくれていますが直接甘えだなんて言われていたらきっと立ち直れなかったと思います。
理解しようとしてくれた親や先生、多くの周りの人たちに本当に感謝です。
>休職引きこもり→筋トレでマッチョ化→復職→上司怖くない主張できるようになる→普通に働ける→幸せ
やっぱり筋トレはいいぞ
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健全な心は健全な肉体に宿る――これが結論となるのでしょうか?
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