民放の春ドラマの第一話が放送されました。
テレビ離れが進むものの、各社ともドラマ枠を増やしています。
ドラマ枠増大の解説と厳しめの感想をお送りします。
引用:www.youtube.com
4月半ば、民放各社は下記のドラマを世に送り出しました。
そこで、春ドラマを視聴率でランキングしてみました。
1位「マイファミリー」平均視聴率:12.6%(TBS系)主演:二宮和也さん
2位「元彼の遺言状」平均視聴率:12.1%(フジテレビ)主演:綾瀬はるかさん
3位「未来への10カウント」平均視聴率:11.8%(テレビ朝日)主演:木村拓哉さん
4位「インビジブル」平均視聴率:9.4%(TBS系)主演:高橋一生さん
5位「悪女(わる) 〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜」平均視聴率:8.5%(日本テレビ)主演:今田美桜さん
6位「ナンバMG5」平均視聴率:6.6%(フジテレビ)主演:間宮祥太朗さん
圏外「卒業タイムリミット」(NHK)主演:滝沢カレン
※平均視聴率は1桁確定との情報あり。判明次第、更新。
春ドラマは「今までと違う」と話題です。
それはTBS、フジテレビ、テレビ東京、NHKの各局がドラマ枠を増やしたからです。
引用:www.fujitv.co.jp
水曜22時台にドラマ枠を新設。
第1弾の間宮祥太朗さん主演作「ナンバMG5」を放送しました。
火曜24時58分からの深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」を新設。
第1弾の髙橋ひかるさん主演作「村井の恋」が放送されました。
火曜24時30分にドラマ枠を新設。
第1弾の山崎紘菜さんと北乃きいさん主演作「汝の名」が放送されています。
これで同局の深夜ドラマは計8枠になります。
さらに驚きなのは、日曜11時台にもドラマ枠を新設したこと。
日曜の昼前という時間帯も、2クールにわたる放送期間も異例ですが、第1弾の大竹一樹さん主演作「よだれもん家族」が放送されています。
引用:NHK公式
NHKは月曜から木曜の22時45分に帯ドラマ枠「夜ドラ」を新設しました。
1週15分×4話と手軽に見られます。
しかしドラマの時間は従来の2倍に増量されています。
第1弾の井上祐貴さん主演作「卒業タイムリミット」が放送されました。
また地上波に限らず、BSも活発です。
BS―TBSが木曜23時台にドラマ枠を新設。
第1弾の「シェアするラ! インスタントラーメンアレンジ部はじめました。」を放送中です。
さらに今春に開局したばかりのBS松竹東急も、月曜22時30分からの「月曜ドラマ」と土曜23時からの「土曜ドラマ」を作りました。
第1弾の志田未来さん主演作「いぶり暮らし」、滝藤賢一さん主演作「家電侍」を放送しています。
引用:news.yahoo.co.jp
ドラマの視聴率は下がり続けています。
世帯視聴率で2桁作品は2作程度です。
ではなぜ、各局はドラマ枠を増やしたのでしょうか?
ドラマに限らず、テレビ番組の視聴率は下がり続けています。
2010年代から下がり、2020年代に入ってさらに下がっているのです。
ところが、録画や配信での視聴率は増えているのです。
テレビ番組は見られているのです。
その証拠に、ネット記事やSNS投稿が最も多いのがテレビ番組なのです。
新設されたフジテレビ水曜22時台の「ナンバMG5」。
若年に人気のヤンキー学園モノです。
間宮祥太朗さんや満島真之介さんら、出演陣も豪華です。
また、クライマックスのアクションシーンは、スマホ世代に刺さります。
引用:www.lisani.jp
TBSの「ドラマストリーム」は、ティーン層や働く女性がターゲット。
「スパイスの効いた恋愛ドラマ」がコンセプトの新ドラマ枠です。
またNHKの「卒業タイムリミット」も高校が舞台の青春ミステリーです。
どちらも、「東京卍リベンジャーズ」の成功にあやかり、若年層を確実に仕留めにいった作品です。
引用:www.oricon.co.jp
春ドラマの一覧をご紹介します。
厳しめのコメントとともに、ご覧ください。
テレビ朝日で放送中の「未来への10カウント」。
放送は木曜日の21時から放送されています。
主題歌はB’zの「COMEBACK -愛しき破片-」です。
人物相関図をご覧ください。
桐沢祥吾(木村拓哉)は高校時代にボクシングで4冠を達成。
そして30年後、高校ボクシング部のコーチに就任。
祥吾は大学時代、ある理由でボクシングを断念。
さらに、最愛の妻を亡くしてしまう。
生きる希望を一度は失った桐沢。
そんな彼がコーチになり、ボクシングを通じて人生再起をはかる。
初共演となる木村拓哉と満島ひかり。
日本を代表する2人の演者、その科学反応が眩しい一品。
さらに「ドラゴン桜の二番煎じですけど?」と言わんばかりの高橋海人。
髙橋君演じる伊庭は「東大合格の成績」と、どこかで聞いたことのある(自粛)。
「孤狼の血 LEVEL2」「るろうに剣心 最終章 The Beginning」の村上虹郎には期待大。
ちなみに彼、父は俳優の村上淳、母は歌手のUAです。
引用:www.rawota.hiroshima.jp
「検事でいる意味がない!」
名セリフでお馴染み、邦画界の傑作「検察側の証人」。
「原作が良作だと映画は赤字」のセオリーを突破し、大ヒットしました。
本作で主演を務めたのは、木村拓哉さん。
罪を犯した検察官ながら、品を失わない演技は「さすが」の一言。
ドラマで映画を越えられるのか――必見です。
引用:www.fami-geki.com
注目は「ボクシング」。
映画「あしたのジョー」で主演を務めたのは、山下智久。
新旧の「ジャニーズボクシング対決」にも熱視線です。
フジテレビで月曜日の21:00から放送中です。
主題歌はありません。
主題歌が無いドラマは
「半沢直樹」
「HERO」
があります。
相関図をご覧ください。
剣持麗子(綾瀬はるか)は国内大手「山田川村・津々井法律事務所」で働く敏腕弁護士。
しかし、結果のためなら手段を選ばないタイプ。
それが仇(あだ)となって、クライアントともめます。
その結果、ボーナスをカットされてしまうことに。
休職することにした剣持のもとに、一獲千金のチャンスが。
謎の男・篠田から、大学時代に半年だけ付き合った元彼・森川栄治が永眠したという連絡が。
栄治には巨額の遺産がありました。
しかし
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
という奇妙な遺言状が。
剣持は篠田を“殺人犯”に仕立て上げ、共謀して遺産を山分けする計画を立てるものの――。
原作は「このミス」大賞受賞作。
「このミス」はそのレベルの低さから近年、苦情が殺到しています。
さらに、受賞作が映像化されると、ことごとくコケています。
(リアル~完全なる首長竜の日~など)
果たしてフジテレビは、「このミスの呪い」を打ち破れるのでしょうか?
引用:www.tbs.co.jp
日本の女優といえば、綾瀬はるか。
ドラマは「JIN-仁-」に「精霊の守り人」。
映画は「ICHI」に「奥様は、取り扱い注意」。
そんな彼女の近年のヒット作が「天国と地獄〜サイコな2人〜」。
人格が入れ替わった女刑事を見事に演じきりました。
しかし、同作で「女刑事」「サイコパス」の”色”がついたのも確か。
弁護士役で新境地を開けるのか――みどころ満載です。
TBS日曜劇場にて21:00から放送されています。
主題歌は、Uruの「それを愛と呼ぶなら」です。
『マイファミリー』✕ Uru「それを愛と呼ぶなら」 コラボムービー ~私にとってのマイファミリーProject “KIZUNA”~
相関図をご覧ください。
ゲーム会社の社長・鳴沢温人(二宮和也)。
彼は湘南の鎌倉にある豪邸に住む、成功者の一人。
鳴沢は妻(多部未華子)と小学生の娘を持つ父親です。
ある日、娘が誘拐されてしまいます。
富も名声もある鳴沢は誘拐で、地獄の底に叩き落されます。
彼の出した結論――「警察に通報せず、娘を取り戻す」。
本作のみどころは4つあります。
引用:hukadume7272.hatenablog.com
誘拐された我が子を助けるため、父親(メル・ギブソン)が警察を排除して奔走するハリウッド超大作「誘拐犯」。
この作品と設定がよく似ています。
「誘拐犯」では犯人を捕らえるため、身代金を懸賞金に代えます。
二宮さん演じる鳴沢が金持ち、さらにネットに詳しいので、動画で犯人や世論に訴える――充分に有り得ます。
「誘拐犯」がモチーフなら、犯人は刑事です。
真相から目が離せません。
イーストウッド「彼でよかった」。
クリント・イーストウッドが監督した映画『硫黄島からの手紙』でハリウッドに進出した二宮和也。
アメリカ兵士にスコップを振り回したシーンを撮り終わると、イーストウッドが一言。
「彼でよかった」
現場で俳優を褒めないイーストウッドのこの発言に、日米が激震しました。
そんな二宮和也の新作、要注目です。
髙橋海人に続き、ドラゴン桜から「山田キヌヲ」が春ドラに参戦です。
ドラゴン桜では、障害児に温かい視線を注ぐ教師役を好演した彼女だけに、今後、目が離せません。
引用:twitter.com
「HOUND DOG」(ハウンド・ドッグ)のボーカルとして一世を風靡した大友康平。
そんな彼は「3年A組-今から皆さんは、人質です-」で熱血ながら、実は裏切り者の刑事を演じました。
この演技は高く評価され、ドラマも踊る大捜査線以来の大ヒットとなりました。
さらに妻は女優の榮倉奈々の賀来賢人も脇を固めます。
彼は「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」で主役を務めました。
引用:www.hulu.jp
この作品は「3年A組-今から皆さんは、人質です-」の正当な続編なのです。
力作に出演したゴールデンコンビから目が離せません。
TBSで金曜日22時から放送中です。
主演は高橋一生と柴咲コウの”2トップ”。
主題歌は、Dragon Ashの「Dragon Ash」です。
Dragon Ash 「Tiny World」 teaser
相関図をご覧ください。
熱血だが、手段を選ばない警視庁刑事特命捜査対策班警部補・志村(高橋一生)。
「クリミナルズ」と呼ばれる凶悪犯罪者と取引をする”犯罪コーディネーター”のキリコ(柴咲コウ)。
ある日、渋谷駅前広場で爆破事件が発生する。
志村が応援を待っていると、街頭ビジョンに謎の男からメッセージが。
それは、新たな爆破の予告だった。
しかも「次の爆破の情報と志村の身柄を引き換えにする」と要求される。
志村が指定場所に向かうと、キリコが。
彼女が、街頭ビジョンをジャックしたのだった。
キリコは再び「爆破事件が起こる」と予告。
実行犯は「花火師と名乗る爆破の専門家」だと告げる。
志村は爆破を阻止するため、キリコと捜査を始める。
警察庁賢察管の猿渡慎一郎(桐谷健太)や捜査一課長の犬飼彰吾(原田泰造)が止めるのも聞かず。
そのころ。
捜査一課は過去の爆破事故を洗い直していた。
すると、ある事故から凶悪犯罪者たちの取引をする「インビジブル」の存在が明らかに。
男女二人が主人公の”2トップ”が目白押しの春ドラマ。
その中にあって、インビジブルは奇抜さで突出しています。
綾瀬はるかとの”2トップ”が話題を呼んだ「天国と地獄 ~サイコな2人~」。
高橋一生は刑事役とサイコパス役、両方で好演しました。
そんな彼につきまとうのが「『天国と地獄 ~サイコな2人~』を越えられるか?」問題です。
しかし彼はすでに、本作で充分過ぎる演技力を見せています。
もう1つ、彼には朗報が。
そう、柴咲コウとの共演です。
引用:www.amazon.co.jp
2人はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』ですでにコンビを組んでいます。
当時から「ゴールデンコンビ」と名高い2トップ。
「天国と~」を必ずや、乗り越えるでしょう。
NHKで 月曜から木曜の夜10時45分から放送中です。
主題歌はCo shu Nieの「青春にして已む」です。
井上祐貴:黒川良樹(主人公)
桜田ひより:高畑あやね(良樹の幼なじみ。秀才)
西山潤:荻生田隼平(サッカー部。運動神経よい)
紺野彩夏:小松澪(美少女。校内のミスコン大賞)
滝沢カレン:水口里紗子(英語教師)
仙道敦子:黒川由美子(良樹の母)
中尾明慶:伊藤倫太郎(数学教師)
北山宏光:小菅泰治(理事長=妖精)
池内万作:野上厚(体育教師)
木村達成:宇部渉(音楽教師)
峯村リエ:柿本静江(校長)
森田甘路:市原恭二(警察官)
卒業式を3日後に控えた欅台高校。
生徒に人気の英語教師・水口里紗子が誘拐されてしまう。
そして黒川良樹の元に、差出人不明の挑戦状が届く。
「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしかわからない」
同じ挑戦状を受け取ったのは、
①サッカー部でスポーツ万能の荻生田隼平
②校内ミスコングランプリの美少女・小松澪
③黒川の幼なじみで学年一の秀才・高畑あやね
なぜこのメンバーが集められたのか?
不審に思う4人だったが、徐々に水口の別の顔が明らかになっていく。
そしてまた、集められた生徒たちにも問題が――。
大藪春彦賞をした辻堂ゆめの原作。
滝沢カレンの好演(怪演?)が見られるものの、視聴者からは酷評が多いのです。
「映像化すると雑さが目立つ」
「1話15分で手軽に見られる」
「30分×8話くらいに濃縮して」
「ストーリー展開がスロー」
特に目立った感想は「15分でミステリーに挑戦した意欲は買う」でした。
引用:www.superdramatv.com
医療と刑事ドラマは視聴率を稼げる――悪貨が良貨を駆逐するように、医療モノがはびこります。
代表的なものを列挙しましょう。
「ドクターX~外科医・大門未知子~」
「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」
「コウノドリ」
「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」
「医龍-Team Medical Dragon-」
「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」
この全てが束になっても、アメリカのドラマ「ER緊急救命室」には敵いません。
1994年9月9日から2009年4月2日、全15シーズン・計331エピソードが放送されました。
原作・脚本は「ジュラシックパーク」のマイケル・クライトンです。
舞台は、シカゴにあるクック郡病院の緊急救命室――「ER」。
ジョージ・クルーニーを生み出した名作です。
ERで働く医師や看護師の仕事、そしてプライベートをリアルに描き切った大作中の大作です。
医療ドラマは日米問わず、ERと比較される運命にあります。
そして今現在、ERを越える作品は存在しません。
日本のドラマのように「私、失敗しませんから」と意味不明なことを言う容姿だけの演者は一人もいません。
医療現場に失敗はつきものであり、リアルに描かれています。
さらに、キャストは当初、無名の演者ばかり。
無名の演者だからこそ「次は誰がいなくなるんだろう?」というスリル満点。
日本ドラマのように「誰も死なない。ハッピーエンド」というフニャケ具合は一切無し。
また医療モノにそぐわないタレントの起用も当然ありません。
日本も演者を全員、オーディションで選べば――無理ですね、事務所の力が強いので。
ERでは、キャストが転勤や死亡で次々、いなくなります。
全シーズンに出演したキャストは――何と0人。
特に衝撃だったのは、女性医師の刺殺事件でした。
さらに、彼女の死にショックを受けたジョン・カーター医師の薬物中毒。
これらは「タレントはイメージ命!」の日本では絶対に描くことは不可能です。
オペシーンでは、何と切開した腹や脳を堂々と(自粛)。
特に癌治療に力を入れており、抗がん剤の描写などは非常に生々しくて迫力がありました。
日本の医療ドラマも「ER緊急救命室」に追いつけ追い越せで頑張ってほしいですね。