名古屋グランパスは、選手・スタッフ計9人にコロナ感染者が出ました。
これを受けてグランパスは、16日に豊田スタジアムで開催予定だったJ1第22節の川崎F戦を延期すると発表しました。
延期の根拠は「保健所の指導」だったとしています。
しかし、この「保健所の指導」が虚偽報告であった事実が判明。
川崎F戦は延期ではなく、不戦敗になる見通しが強まっています。
さらに、虚偽報告は重大な規律違反であり、勝ち点のはく奪まで迫られる苦しい見通しに。
今回の一件の経緯と処罰を追いました。
グランパスは16日、コロナで川崎F戦を延期すると発表しました。
グランパスの選手、スタッフ計9人に新型コロナウイルスの陽性判定が出たからです。
この延期までの経緯を、グランパスのフロントが発表した経緯は次のとおりです。
8日:選手3人が陽性判定
10日:スタッフ1人が陽性判定
11日:スタッフ1人が陽性判定
14日:選手1人、スタッフ3人が陽性判定
同日:保健所の指導により活動停止
これが事実であれば、16日の川崎F戦の延期は順当です。
しかし。
14日の”保健所の指導”が虚偽である可能性が浮上してきました。
川崎F戦延期は虚偽報告であったと中日新聞が報道しました。
J1名古屋のトップチームで新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、中止されたJ1第22節川崎戦(豊田スタジアム)について、名古屋が、試合開催の可否を決めるJリーグに対し、保健所の指導でチーム活動を停止したと、誤った説明をしていたことが、関係者への取材で分かった。23日、取材に応じた名古屋の広報担当者は「保健所とのやりとりの中で誤認があった。Jリーグには経緯を報告し、調査を受けている」と回答し、説明が事実と異なっていたことを認めた。
引用:中日新聞
記事では”誤った説明”とされています。
しかし、Jリーグへの保健所指導の説明を間違えるでしょうか?
保健所の指導については「あったか無かったか」の二択のはずです。
「説明を誤った」というのは、「虚偽の報告を行った」に他ならない極めて異例の事態です。
厳しい言い方をすれば、悪質な決定をしたと言えます。
グランパスが虚偽報告で勝ち点をはく奪されるとすれば、どういったパターンかと結果を見ていきましょう。
※Jリーグ規約・第11章の第1節総則より
この規約にも基づいたグランパスの勝ち点はく奪は次の2パターンが考えられます。
現状、1は免れ得ないとの見方が強まっているようです。
またJリーグ側が重い処分を課すと決定すれば、2の制裁を科される可能性さえあります。
川崎F戦の延期の被害は甚大です。
チェット代を払い戻したから解決というわけではありません。
両チームのサポーターの交通費と宿泊費が無駄になってしまいました。
さらに、スタグル(スタジアムグルメ)の経営者は多大な被害を被っています。
こうした事実を前に、グランパスのフロントはどう説明するのでしょうか?
グランパスは勝ち点をはく奪されるとJ2へ降格します。
J1の順位表を見ていきましょう。
勝ち点15をはく奪されると、グランパスの勝ち点は10です。
すると最下位である18位にまで落ちます。
残留圏内である16位のヴィッセル神戸まで勝ち点6差=2ゲーム差となってしまいます。
残り試合を12試合として勘定しても、とても追いつけないでしょう。
グランパスは今回の報告について依然、”説明に誤りがあった”という表現にとどめています。
しかし事はグランパスだけではなく、Jリーグ、引いては日本サッカー界全体の問題です。
グランパスのフロント陣には、速やかな透明性のある説明が求められています。