5月14日、豊田スタジアムで行われたセレッソ大阪戦のレビューをお送りします。
この日は気温が高く、試合が終了すると力なく座り込む選手がいたほど、過酷な試合環境でした。
そんな中、グランパスはマッシモ体制を思い出させるウノゼロで難敵・セレッソ大阪を下しています。
しかし楽観視はできません。
相変わらずの決定力の無さとマッシモほどの強度ある守備は見せられませんでした。
次節のエスパルス戦のプレビューとともに、ご覧ください。
ウノゼロで勝利をおさめた試合をデータで振り返ります。
3バックは急造で始めたものの、試合を重ねるにつれて成熟してきました。
セットプレーからの失点が減ったのは評価できます。
森下とマテウスの相性がいいだけに、マテウスはCFではなく、ウイングで使いたいところです。
相馬は途中出場で流れを変えたいのと、後述しますが、攻守両面で強度あるプレーができる吉田豊はスタメンで起用するべきです。
対するセレッソは、顔触れが変わりません。
山田とパトリッキという、グランパス並みに決定力が無いFWに助けられました。
ちなみにヨニッチは「CBもボランチもできる選手」として、グランパス入りが噂された選手ですね。
今からでも歓迎します。
グランパス最大の驚愕は、石田のベンチ入りです。
石田を入れて柿谷を外したのは大英断です。
しかし、宮原・内田・吉田豊とWGの選手3人でベンチを回すしかない台所事情は、補強無しでシーズンを戦えない事情を曝け出しています。
またこの試合でも、内田はトップリーグで戦うには、まだ厳しい戦力であることが露呈してしまいました。
対するセレッソは、アダム・タガートをベンチ、清武をスタメンで使ってしまいました。
両者が逆であれば、試合の結果が変わるほどのマネージメントの大失敗です。
ボール支配率とスプリント数からも分かるとおり、試合の中身は五分でした。
気温が22.5℃とタイトな環境だったものの、両チームの選手達はよく走った好ゲームとなりました。
グランパスは枠内シュートが1本と相変わらずの決定力の無さですが、仙頭の技ありゴールで強かに1点を奪っています。
この試合で大問題なのは、審判のレベルの低さです。
マテウスの一本目のゴールは確かにオフサイドでした。
しかし、二本目は相手選手がグランパスサイドに入っていたので、オフサイドになり得ません。
※下記2つの動画は、問題のシーンへ飛べるようになっています。
誤審でも勝ち点を拾うためには、むしろ石田はフリーだったこの場面で決めるべきでした。
長谷川健太さんは日本人監督で最も勝利をあげた名将です。
人柄も素晴らしい、ナイスガイです。
しかし。
長谷川監督が手腕を発揮するのは、FWに大型外国人がいるチームです。
また、タレント揃いでタイトルを最初から狙えるチームをタイトルに導く手腕は確かですが、残留争いの経験は無く、不安しかありません。
フロントはシュビルツォクがいる前提でオファーを出したのですが、そのプランは崩壊しています。
さらに最大の懸念があります。
小倉監督が「アンチ・田中マルクス闘莉王」に固執したように。
ボスコ・ジュロヴスキー監督は逆に、田中マルクス闘莉王と小川佳純に固執したように。
風間監督が杉森考起と八反田康平に固執したように。
グランパスの黒歴史は、固執による人災まみれです。
長谷川監督は「アンチ吉田豊」とレオシルバへの固執で、勝ち点を逃しています。
今後も勝ち点は拾えないでしょう。
3バックはCBではなく、WGとボランチが命だからです。
吉田豊は攻守にアグレッシブでスキルも高いので、熾烈になる残留争いに欠かせません。
レオシルバをフルタイムで使うのは、彼自身とチームのためにマイナスです。
しかし長谷川監督は頑固な一面もあるため、周囲の声を聞かないでしょう。
小倉監督で降格した年、ボスコの招聘はあまりに遅過ぎました。
降格した全チームにいえるのは、監督交代の遅さです。
ドラマッチクな昇格は一度きりでいいので、今季は早めの決断が求められています。
昨年のACLにおけるドーピング疑惑で、シュビルツォクはサッカー活動が全停止です。
本人は異議を申し立て、身の潔白を主張しているものの、結論はまだ出ていません。
トクマック・グエンが合流するのは夏なので、それまでは今のメンバーで点を獲るしかありません。
トクマック・グエン獲得【グランパス】シュビルツォクの代役なるか?
金崎と酒井が頼りにならないなか、まさかの石田がシュビルツォクの代役に名乗りを上げました。
点は獲れなかったものの、とにかく前を向く姿勢は、セレッソの最終ラインを押し込むことに成功しています。
甲田と違ってシュート力もあり、全盛期の永井謙佑に迫れるポテンシャルを感じさせてくれました。
しかし石田はシュビルツォクほどのフィジカルは持ち合わせていないので、彼の代役は務まらないでしょう。
目指すべきは、グエンが合流した際の、中央とサイドの突破です。
これにシュビルツォクが合流できれば、シュビルツォク・グエン・石田の3枚で点が獲れるため、守備陣の負担を軽減できます。
シュビルツォクが無理となれば、石田とグエンの2トップに、相馬とマテウスのWGが組めるなど、選択肢は広がります。
今季のグランパスは終盤まで残留争いに巻き込まれる可能性があるため、点が獲れる可能性の確保は急務です。
降格した年は、得失点差でアルビレックス新潟に競り負けてしまったのですから。
グランパスはセレッソに勝ち、勝ち点を14に伸ばしました。
しかし、降格プレーオフの15位に位置する浦和レッズとは、わずかに2点差です。
1試合で残留争いに引きずりこまれてしまうため、残留を争うチームが気になるところです。
試合のダイジェストと各チームのサポーターの反応を見ていきましょう。
次節は5月21日の土曜日、14時から日本平へ乗り込みます。
京都サンガと引き分けたエスパルスは、勝ち点13で降格のプレーオフが見えてきた15位です。
しかし絶対に、油断してはいけません。
京都サンガ相手に点は獲れなかったものの、白崎凌兵とチアゴ・サンタナを中心としたカウンターはスピードとパスワークに優れています。
エスパルスは縦に早いチームでスプリントに優れていますが、自分から仕掛けるというよりは、しっかり守ってカウンターを発動させるタイプです。
さらに途中出場でカウンターを加速させる松岡やコロリがいます。
ゲーム終盤、レオ・シルバはブチ抜かれてしまうので、3バックの中心の藤井と稲垣は負担が大きくなります。
こうした観点からも、左WGに吉田豊はマストなのですが、長谷川監督に期待はできません。
唯一最大の手段は、前線で柿谷・仙頭・酒井・金崎あたりがしっかりボールをキープすることだけです。
エスパルスには「清水のランゲラック」こと権田修一がいます。
ハイプレスを敷き、破壊力抜群のピーターウタカを擁する京都サンガを無失点におさえたのは、権田のGK力です。
決定力が致命的に無いグランパスは、権田を制圧しなければならず、苦戦が予想されます。
マテウスのFKや仙頭のコントロールショット、途中出場の石田のひたむきな「前を向く姿勢」でしか、点が獲れない難敵なのです。
静岡県内では14日、新たに1095人の新型コロナウイルス感染が確認されています。
5日連続で増加しており、現地でのサッカー観戦は厳しい状況です。
しかし試合が延期される可能性は低いため、自宅での応援が推奨されています。
自分や大切な人を守るため、DAZNで自宅や職場から応援しましょう。