本屋大賞「同志少女よ敵を撃て」登場人物と作者紹介!文庫化と漫画化

本屋大賞同志少女よ敵を撃て登場人物と作者紹介 小説
本屋大賞同志少女よ敵を撃て登場人物と作者紹介

「同志少女よ敵を撃て」は2022本屋大賞を受賞しました。

また本作は新人賞であるアガサ・クリスティー賞を受賞して出版されています。

さらに、第9回高校生直木賞も受賞と三冠に輝きました。

そんな「同志少女よ敵を撃て」ですが、登場人物が多く、しかもカタカナ表記なので、追うのが大変です。

そこで今回は、本作の登場人物を紹介するのがメインです。

また、作者の紹介や文庫化、漫画化のニュースや「高校生直木賞とは何?」にもお答えする内容となっていますので、ご覧ください。

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「同志少女よ敵を撃て」登場人物

登場人物の紹介を行いますが、ネタバレ要素がかなり含まれていますので、未読の方はご注意ください。

セラフィマ

本作の主人公です。

1924年生まれです。

独ソ戦争当時、村に住む少女で母親と二人暮らし。

セラフィマは母親から狩りのための狙撃を教わります。

さらに外交官になるため、ドイツ語も話せるのです。

しかし彼女が18歳の頃、村をドイツ=ナチスの兵士が襲います。

母親や村人はナチスによって命を奪われてしまいました。

セラフィマも危なかったのですが、イリーナに助けられます。

そのイリーナから「戦いたいか、死にたいか」と迫られ、狙撃兵として戦う決心をします。

さらに、軍隊の規定に従ってセラフィマの家財道具を燃やしたイリーナ打倒にも燃えていました。

村を出るにあたっセラフィマは「女性を守る」と3つ目の決意も行います。

相次ぐ戦闘で我を見失ったり、捕虜になったり、傷ついたり。

そして最後は、同じ村を故郷とする青年が女性捕虜に暴行を加えようとした瞬間、「本当の敵」を悟り、「女性を守る」決意のため、狙撃するのでした。

戦後はイリーナと故郷の村でひっそりと暮らすのでした。

レズ認定

セラフィマは優秀な狙撃兵ですが、ストイックではありません。

作中、何度もシャルロッタとチュッチュッとキスします。

挙句の果てに、イリーナと同棲します、何年も何年も。

当時(今もかな?)ソ連では女性同士の挨拶がキスでした。

また戦場なので、心肺蘇生も学び、実行する機会もありました。

そうした時代の背景を考えても、セラフィマはレズビアンだと考えないと、腑に落ちない点が多々あります。

第二次世界大戦で伝説となって狙撃手がレズビアンーー美しいし、素晴らしいですよね!

イリーナ

元・精鋭の女性狙撃兵です。

負傷で現場からは退いていますが、女性狙撃兵を育成する訓練学校の教官を務めています。

セラフィマを村でナチスから救出し、彼女を訓練学校へと導きます。

やがてセラフィマ達が訓練学校を卒業すると、彼女達を組織した狙撃小隊「第三十九独立小隊」を組織し、自らは指揮官となります。

秘密警察にも物怖じしない度胸と冷静さを兼ね備えた、生粋の狙撃兵にして指揮官。

最後、セラフィマが友軍の男性を狙撃した際、彼女の「女性を守る」という決意を尊重し、事実を隠蔽。

戦後はセラフィマとともに、故郷の村で二人きりで暮らします。

レズ認定

イリーナは26歳です。

26歳の女性ながら、男性の影が1ミリもありません。

1ミリも、です。

戦場を渡り歩いていたとはいえ……。

ストイックなのかな?と考えていたら、セラフィマの「同棲して!」に「はいよ!」と二つ返事でした。

孤高の女狙撃手がレズビアン、素晴らしいですよね?

シャルロッタ

イリーナの教え子で。

セラフィマとは、女性狙撃兵訓練学校分校の同期にあたります。

卒業後、「第三十九独立小隊」の兵士として戦います。

シャルロッタは貴族階級の娘で、人形のように美しい少女です。

しかし彼女は「労働階級の娘」と名乗り、実際に労働階級に憧れを抱いています。

「モスクワ射撃大会」で優勝した経験があります。

小隊のなかで、誰よりもイリーナに心酔。

戦後は、負傷したアヤを引き取って工場で働きます。

セラフィマとは手紙のやり取りを続けていました。

レズ認定

理由はセラフィマと同じです。

さらにシャルロッタもセラフィマと同じく、余生を女性と過ごす道を選びました。

相手はヤーナで、作中では負傷した彼女を看病するためでしが……いや、恋心でしょ?

心がささくれだつ戦場、それも狙撃を描いた作品ですが、あちこちで百合が咲き乱れて、私は本当に嬉しいです!

アヤ

セラフィマやシャルロッタとは、女性狙撃兵訓練学校分校の同期にあたります。

ズバ抜けた狙撃の腕前は、天性の才能。

カザフスタンの猟師の家庭で育つも、不遇の少女時代を送っていました。

「第三十九独立小隊」の一員として戦いますが、その天才ぶりが仇となります。

イリーナに「戦場で賢いのは自分だけだと思うな」と教えられていたものの、射撃位置を変えずに狙撃を続け、命を落としました。

訓練学校では、片付けが苦手で部屋が散らかっていることが発覚し、可愛い一面も見せてくれました。

ヤーナ

セラフィマ達と女性狙撃兵訓練学校分校の同期です。

とはいえ、ヤーナはすでに28歳で、イリーナよりも2つ年上なのです。

そのためイリーナも含めた「第三十九独立小隊」の兵士から「ママ」と呼ばれています。

彼女は元既婚者で二人の子供がいたものの、戦火で失ってしまいます。

家族の復讐のため、「第三十九独立小隊」で戦います。

しかし、少年兵に感情移入した結果、重傷を負って、一時は意識不明に。

何とか回復し、戦後はシャルロッタとともに、工場で働きます。

しかしこの古傷が完治することはなく、最後はシャルロッタに見送られたのでした。

オリガ

オリガはセラフィマと同期の女性狙撃兵訓練学校分校の兵士なのですが……実は秘密警察で、体制を批判する裏切り者を粛清する役目です。

その正体がバレても「第三十九独立小隊」には監視役として帯同します。

狙撃の腕は確かです。

オリガは「ウクライナ」出身のコサックです。

オリガなりにコサック復権のために戦っているのでした。

セラフィマが母親や村人の仇を取れるよう、自分の身を晒して、ドイツの狙撃兵の位置を教え、戦場で散りました。

ターニャ

「第三十九独立小隊」に帯同する、女性看護兵です。

ターニャもイリーナに「戦いたいか、死にたいか」と迫られた過去を持ちます。

戦場でもクールな振る舞いは痺れます。

しかし温かい人柄で、小隊を医療面で引っ張ってくれる頼もしい存在です。

ハンス・イェーガー

ハンス・イェーガーは、ドイツの精鋭狙撃手です。

このハンスが、セラフィマの村で彼女の母親の命を奪った憎き仇です。

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ハンスは気高き女性狙撃手達と違って、卑怯な手で、とにかく生き延びます。

ソ連人の女民間人と寝て、彼女を恋人にして情報を取ってこさせたり。

戦地から逃亡するため、コソコソ隠れて川を下る船に乗ったり(見逃したセラフィマにも責任あり)。

ナチスの狙撃手なら、もっとしっかり者であってほしかったです。

狙撃の腕前は超一流で、セラフィマもオリガの犠牲が無ければ、倒せない相手でした。

ちなみにハンスはセラフィマの仇ですが、「同志少女よ”敵”を撃て」の”敵”ではありません。

”敵”は、次に紹介するミハイルでした。

ミハイル

ミハイルはセラフィマと同郷の男です。

彼もまた、復讐のために戦っています。

しかし彼は戦争の同調圧力に負けて、「女性の敵」になってしまいました。

ミハイルは「女性をソ連の兵士が暴行する現場にいたら、加わるしかない。そうしないと、村八分にされる」と堂々と言ってしまいます。

そして最後は、その言葉通りに行動して”敵”になり、セラフィマに狙撃されたのでした。

「同志少女よ敵を撃て」作者紹介

「同志少女よ敵を撃て」の作者は、逢坂冬馬(あいさか とうま)先生です。

逢坂先生は本作がデビュー作となります。

逢坂先生は、1985年10月8日生まれです。

埼玉県所沢市で生まれました。

3歳の時に、横浜に引っ越され、今は埼玉県さいたま市在住です。

明治学院大学の国際学部国際学科を卒業されています。

逢坂先生は、働きながら「同志少女よ敵を撃て」を執筆されました。

その時は「俺がやらなきゃ誰がやる」「俺がやらなきゃ誰かやる」という決意で本作に臨んだそうです。

逢坂先生のインタビューを引用するので、ご覧ください。

「歴史上類を見ない、突出した存在でありながら語られなかった存在で、少なくとも日本の小説の中ではソ連側の女性兵士を素材にした作品はなかった。語られざる人たちを語ることに小説の意義があると思っていたんです」

引用:サイカル

「読んだ時に言葉で戦争体験というものを読み取ることができた。そういう体験は初めてで、こういう女性の目から見た戦争というものだったら書けるかもしれないと思ったんです。これは自分がやるべきだし、やらないとひょっとしたらほかの人がやってしまうかもしれないという思いがあって、『俺がやらなきゃ誰がやる』という気持ちと、『俺がやらなきゃ誰かやる』という気持ち、そのはざまで書いたという感じですね」

引用:サイカル

「男性兵士からもどことなく阻害され、戦後にも疎外された存在だった女性兵士から見た戦争の苦痛を踏まえ、主人公は何のために戦う存在かということを考えたら、ものすごくジェンダーに対する考え方が前面に出た小説に仕上がった。それがこの小説の特徴ですね」

引用:サイカル

また逢坂先生は「戦争が嫌いだから戦争を書く」ともおっしゃっています。

その決意の強さが、本書を良書へと押し上げているのですね。

また逢坂先生は、単に戦場モノを描いたわけではありません。

逢坂先生が描いた世界は、美しい百合の世界でした。

百合:女性同士が愛し合う

どんなに残酷な世界でも、愛は、百合は輝くのです。

文庫化

「同志少女よ、敵を撃て」は文庫化されていません。

本作は500ページの超大作なので、持ち運びは不便です。

文庫でコンパクトになると何かと便利ですが、間違いなく一冊では不可能なので、分冊されます。

小説の文庫化は次のような条件があります。

・発売から3年以内
・売上

本作の売り上げは14.4万部なので、この点は問題ありません。

あとは3年以内なので、文庫化は待つしかありません。

待てない方は、単行本を買って極上の戦闘と人間物語、百合を楽しみましょう。

漫画化

「同志少女よ、敵を撃て」は漫画化を待望する声が多数あります。

しかしまだ、漫画化の話はありません。

漫画化するとなると、膨大な数の女の子達を書き分ける必要があるので、漫画化の手腕が試されます。

とはいえ、セラフィマとイリーナの絵と動いているところは絶対に見てみたいのです。

これだけの有名作だと、漫画化も待ったなしでしょう。

それまでは、本作の参考作品であり事実上のモデルである「戦争は女の顔をしていない」を読んで、漫画化された際に2倍楽しめる準備をしえおきたいものです。

高校生直木賞受賞

「同志少女よ、敵を撃て」は第九回高校生直木賞を受賞しています。

高校生直木賞は文字通り、日本の高校生が選考を行います。

フランスの文学賞「ゴンクール賞」をモデルとして、文芸評論家の伊藤氏貴先生が発案されました。

過去の受賞作は、次のとおりです。

高校生直木賞受賞作1

高校生直木賞受賞作1

高校生直木賞受賞作2

高校生直木賞受賞作2

 

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