古い時代は「高齢者の面倒をみるのは嫁の仕事」と考えられていました。
自分の家族の面倒を自分でみても、おかしくはありません。
ただし介護は、家族の誰か1人に押し付けてはいけません。
それはやがて「介護疲れ」となり、痛ましい事件が実際に起きました。
そう「介護」はとても大変です。
私も介護の現場で腰痛に悩まされ、首が軽度のヘルニアになりました。
介護される人も「家族に申し訳ない」。
介護する家族も「仕事や家事があるのに介護は大変」。
また現場スタッフも「介護は腰痛が!」
そこで「介護福祉士」という「国家資格」が生まれました。
介護福祉士になるには
未経験から介護福祉士になるには以下の三つのルートがあります。
実務経験ルート
厚生労働省が指定した施設で働きながら国家試験を受験します。
このルートを選択する人は、国家試験の勉強をすることで、 知識や経験が職場ですぐにアウトプットできるという利点があります。
また介護福祉士という国家資格を取得するにあたり、費用が最も安く済みます。
実務経験は3年間です。
私は高槻温心寮と言う救護施設で働きながら、実務経験3年で介護福祉士を取得しました。
養成施設ルート
未経験から最も早く介護福祉の国家資格を取得したいのであれば、養成施設に入学することです。
養成施設では最短で1年あるいは2年で、介護福祉士の資格にチャレンジできます。
養成施設とは具体的に「短期大学」や「専門学校」のことです。
ただし、最も費用がかかります。
「リカレント教育」として選択肢の一つになりますが、費用・時間がかかります。
なお、以下を卒業された方は最短1年で国家資格にチャレンジできます。
・福祉系大学
・社会福祉士養成施設
・保育士養成施設
高校ルート
福祉系の高校に通って、介護福祉士の資格にチャレンジします。
卒業後に筆記試験が必要なので、注意してください。
介護福祉士の受験資格
では次に、受験資格を見ていきましょう。
「公益財団法人・社会福祉振興・試験センター」より抜粋します。
令和3年度現在は養成校がお得
令和8年度水までに養成施設を卒業する方は、卒業後5年間は、無条件で国家資格である介護福祉士を取得できます。
無条件とは文字通り、介護福祉士の国家試験を合格しないどころか、受験しなくても国家資格を取得できます。
ただし、以下が求められます。
・令和8年度までに国家試験に合格する
・ 厚生労働省が指定する事業所で5年間、介護の仕事に従事すること
いや、働いているだけで「介護福祉士」という「国家資格」を取得できるとか……羨ましいです(;^ω^)
実務経験3年だけでは受験不可能!?
介護の現場で働いている皆様、悲しいお知らせがあります……。
私が「介護福祉士」を受験した際は、実務経験が3年あれば、職場に証明してもらって受験資格をゲットできました。
ところが現在!
当時は「介護事業所で所定のカリキュラムを受講すれば実技試験は免除する」だったのですが。
今現在、「介護事業所で所定のカリキュラムの受講」が義務化されました(;^ω^)
とはいえ、実技試験は免除されます。
私は救護施設で働きながら「介護福祉士」を取得しましたが、有給休暇と費用の問題から「実技試験1発勝負!」を選択しました。
とはいえ、事前に専門学校で2日間、実技試験の講習を受けました。
この講習が、実技試験の合格に直結しました。
講習で講師から「スキルじゃない! ハートよ!」とスポ根みたいなことを言われました(;^ω^)
具体的には「利用者を不安がらせず、常に声かけを行って、コミュニケーションをはかること」です。
福祉の現場ではスキルより安全管理とコミュニケーションが優先されます。
偉そうなことを言っていますが、私は実技試験の内容が
「寝ている視覚障害者を台所までエスコートし、食事をとれる段取りを終了すること」
という生々しい内容でしたが、何と視覚障害者がテーブルにつく前に「はい終了!」と審査官に言われてしまいました(泣)。
ただ私は講習を活かして、視覚障害者になったアルバイトの学生がドン引きするほど、「大丈夫ですか?」「ご気分は悪くないですか?」と声かけを行っていました。
お陰で、一発合格でした!
国家試験の難易度
私が合格した頃より、介護福祉士の筆記試験はレベルが上がっています。
どういうことか?
間違いなく、福祉職の国家資格に求められるスキル・専門性・倫理性が上がっているからです。
私は書店に売っている参考書をサラッと勉強した程度です。
ご不安なら、効率良く勉強するために通信教育を受けて、1発合格を目覚ましましょう。
国家資格は1生モノですから。
合格率
近年の合格率は、下記のとおりです。
第30回(平成29年度):70.8%
第31回(平成30年度):73.7%
第32回(令和元年度):69.9%
第33回(令和2年度):71.0%
なお「介護福祉士」の筆記試験には、以下の条件があります。
・総得点125点に対し、得点75点以上
・「11科目群」すべてで最低1問は正解すること
国家試験の中では、合格しやすい資格です。
そうであっても、全く勉強しないで受かるほど、甘くありません。
過去問題集を解くなり、自分に合った勉強法でコツコツ頑張りましょう(^^♪
介護福祉士受験日
第34回(令和3年度)試験概要(予定)
筆記試験
令和4年1月30日(日曜日)
実技試験
令和4年3月6日(日曜日)
筆記試験(34試験地)
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
実技試験(2試験地)
東京都、大阪府
受験申込書の受付(提出)期間
令和3年8月18日(水曜日)から9月17日(金曜日)(消印有効)まで
合格発表
令和4年3月25日(金曜日)
介護福祉士の資格だけでは生きていけない
介護福祉士の資格を取った私が断言しますが、「介護福祉士」の資格だけでは生活できません。
プラスアルファ、他の資格を取りましょう。
たった2日で一生モノの資格が手に入ります。
活躍の場を高齢者から児童に広げたい場合、こうした資格を取って自分らしく活躍しましょう。
高齢者の医療依存度が上がってきた昨今、介護福祉士にも当たり前のように「リハビリテーション」の知識や資格が求められています。
オンライン学習で、リハビリセラピストの資格を取ってしまいましょう。
給与アップと処遇改善のため、こうした資格を持ち、転職して自分らしく生きていきましょう。
終わりに
「介護福祉士は名称独占なので資格を持っていなくても介護できる」
というネット記事が散見されます。
理屈はそうかもしれません。
私が介護福祉士を受験して良かったのは、我流の介護スキルを修正できたことです。
また「国家資格」を持っていると、就職でも給与アップでも有利です。
何にせよ、勉強して「介護福祉士」の資格を取得しないと話が始まりません。
振替無料、スマホで隙間時間に簡単学習できる教材を活かして勉強しましょう。
私はヘルパー2級しか介護の資格を持っていませんでした。
お陰で、ひどい腰痛、果ては軽度ですが、首のヘルニアを発症しました。
資格を「国家資格」にするには、それなりの理由があります。
正しい介護スキルを身に付け、利用者にも自分にも優しい介護を実践しましょう(^^♪
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