「看守の流儀」ネタバレ考察「火石の傷解説」このミス大賞!続編紹介

看守の流儀ネタバレ火石の傷の意味と続編 小説
看守の流儀ネタバレ火石の傷の意味と続編

看守の流儀は、刑務所で受刑者を見張る公務員――刑務官を描いたオムニバス作品です。

つまり、刑務所の受刑者と刑務官を描いた、知っているようで知らない世界を分かりやすく描いた作品として大好評です。

警察小説の第一人者である横山秀夫さんが「いやぁ、これは久しぶりのドストライクだった」と絶賛するのも納得の推理小説です。

しかも推理小説といっても、人の生き死にがおどろおどろしく書かれているわけではないので、普段は推理小説を読まない方にお薦めできます。

刑務所内外で繰り広げられる壮絶な頭脳戦、そして娑婆(しゃば)より濃密な人間関係を味わえる本作を、徹底的に解説していきます。

なお、後半の「ネタバレ考察」は文字通りのネタバレなので、未読の方はご注意ください。

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「看守の流儀」舞台の加賀刑務所について

「看守の流儀」とその続編である「看守の信念」の舞台は、石川県にある加賀刑務所です。

石川県には「金沢刑務所」はあるものの、加賀刑務所は実在しません。

ではなぜ「加賀刑務所は石川県郊外にある」「加賀刑務所は犯罪傾向が進んでいないA指標と犯罪傾向の進んだB指標の受刑者が混ざり合っている」との表記があるのでしょうか?

この疑問にお答えするには、作者の城山真一先生のご紹介が不可欠になってきます。

「看守の流儀」作者の城山真一先生とは

看守の流儀の作者城山真一

看守の流儀の作者城山真一

引用:www.chunichi.co.jp

「看守の流儀」作者の城山真一先生は、1972年、石川県でお生まれになりました。

そして「天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス」にて、2016年の「このミステリーがすごい! 」大賞を受賞されました。
(城山先生の作品紹介は後述いたします)

そんな城山先生は、今も石川県在住です。

石川県への郷土愛にあふれる城山先生は、「自分が石川県を書かない理由がない」と言い切ります。

郷土愛とミステリー。

その完璧な融合が「看守の流儀」なのです。

「看守の流儀」あらすじ

看守の流儀は、全部で5つの章(話)で構成されています。

さらに全編を貫くのが娑婆では歌手だった受刑者の「三上順太郎」による手記です。

それでは、各章(話)をご紹介します(ネタバレはありません)

第一話ヨンピン

ヨンピン:服役期間の四分の一を残して出所すること

「仮出所した模範囚が行方不明だ!」

主人公の刑務官:副看守長の宗片秋広(むなかたあきひろ)
警備指導官の火石司(ひいしつかさ)

主人公の受刑者:源田陽一(げんだよういち)

宗片が担当する源田は、「ヨンピン」として出所します。

そして源田は、更生施設へ入所します。

ところが、その源田が更生施設から行方をくらましてしまいます。

宗片は必死に思い出します。

「源田宛に届いた手紙には、たった一行、電話番号が記されていた」

「その手紙は出所時に渡す領地箱に入っていた」

「不測の事態で、俺は源田がその手紙を見た反応を見られなかった」

「源田はその電話番号にかけたんじゃないのか!? 一体、どこに繋がる電話番号なんだ!?」

「ヨンピン」の受刑者が行方をくらますのは、刑務所どころか、法務省全体を揺るがす大問題です。

さらに、若手刑務官の奥井は何かを隠しているようで――。

そして、刑務所内で自死をはかった受刑者の蛭川は死んでしまうのか――。

その蛭川の自死の責任をとらされようとしている刑務官の西門隆介(にしかどりゅうすけ)。

その西門の責任を執拗に追う首席処遇官の蒲田(かまだ)。

バラバラに見えた一連の事件が、「ミカゲ」の登場で――。

加賀刑務所が窮地に立ったとき、火石が起死回生の攻勢を仕掛ける。

加賀刑務所の生きた伝説”火石マジック”とは――。

第一話から盛り沢山ですが、それぞれが奇麗に絡み合っています。

優れた群像劇の象徴である「最後にピースが全て繋がる」を実践してくれています。

ところで、気付いた方もおられると思いますが「看守の流儀」の主人公は、火石司です。

この火石が、加賀刑務所で次々と発生する不可解な事件を解決していくのです。

第二話Gとれ

Gとれ:刑務所内で行われる、暴力団から足を洗うために行われるプログラム。他の受刑者にこのプログラムを受けているのがバレると、制裁や嫉妬の対象になってしまう。暴力団員だった受刑者は、Gとれを受けないと仮釈放が無い。

偽装離脱者:Gとれする気がない=暴力団から足を洗う気が無いのに、Gとれを受ける受刑者。仮釈放が目的。

「お前のGとれは、その程度だったのか!」

主人公の刑務官:看守部長の及川恭也(おいかわきょうや)
警備指導官の火石司(ひいしつかさ)

主人公の受刑者:勝田(かつだ)、与崎(よざき)※両名ともGとれ受講者

加賀刑務所は、入試問題の印刷を更生作業の一環として請け負っていました。

印刷していたのは、及川が担当する第七工場です。

その入試問題が、何と流出してしまいます。

勝田は淡々と、庭掃除を行っているだけです。

この庭掃除自体が、Gとれです。

一方、与崎は第七工場に配属されていました。

入試問題の流出を捜査するため、石川県警が加賀刑務所に乗り込むことが決定します。

刑務所を管轄する法務省と全国の警察を取りまとめる警察庁は、仲が悪いのです。

そんな背景から、加賀刑務所は絶対に県警の家宅捜査を避けねばなりません。

犯人捜しを始める加賀刑務所。

疑いは与崎へと向かいます。

県警の捜査員2名が、与崎の身柄を拘束するために行ってきます。

火石は及川に、

「入試問題流出の記事が載った新聞紙を与崎に見せて、反応だけでも伺うように」

と言われ、 実行します。

新聞紙を見た与崎は「あっ」と声をあげます。

与崎は県警の捜査員に連れて行かれたため、及川はそれ以上、追求できませんでした。

加賀刑務所では及川に、与崎不在ながら、真相を究明するよう厳しい命令が下ります。

その時及川は、思い出します。

Gとれに躊躇する与崎を奮い立たせるため、及川は「3歳の娘の声を聞かせてやる」と、携帯電話で、与崎の娘にかけてしまったのです。

その場所は、加賀刑務所でも数少ない、バレずに携帯電話がかけられる場所でした。

時を同じくして、 Gとれに加われない瀬山が、勝田に嫌がらせを始めます。

Gとれの受講者が洩れている!?

入試問題流出の犯人は与崎なのか?

その方法は何なのか?

不穏な瀬山と及川の関係はどうなるのか?

「受刑者に携帯電話をかけさせた事実を上に報告すべきなのか?」――及川の出した結論とは?

第三話レッドゾーン

レッドゾーン:高齢者など、介護が必要な受刑者ばかりがいるエリア。

「加賀刑務所から行政文書が消えた! 犯人は誰だ! どうやって持ち出したんだ!」

主人公の刑務官:総務課長の小田倉牧(つとむ)
警備指導官の火石司(ひいしつかさ)
万年看守部長の大見(おおみ):加賀刑務所一筋のプロパー刑務官。総務と仲が悪い。

主人公の医師(医官):木林総一郎(きばやしそういちろう)
柴山(大学病院の医師。非常勤)

主人公の受刑者: 無し

加賀刑務所では、受刑者の逃亡阻止に向けてGPSの活用を記者会見で公表します。

その記者会見を2日後に控えていたとき、医務室のカルテとレントゲンフィルムがなくなっている事実が発覚します。

このままでは、GPS導入の晴れ舞台だった記者会見で、行政文書紛失の失態を公表する羽目になります。

総務課長の小田倉は、記者会見までに、消えたカルテとレントゲンフィルムの行方を追うことになります。

一方、薬剤師の山崎美里(やまざきみさと)は明るい性格だが、訳ありのようです。

訳アリなのは、医官の木林も同じようで――。

レッドゾーンの介護が負担となり、大見はプロの介護士導入を要請したものの、幹部はGPS導入を優先させてしまいました。

そのため、処遇部の大見と小田倉は名誉をかけて、ぶつかります。

小田倉「大見、総務を陥れるために、お前がカルテとレントゲンフィルムを持ち出したんだろう!」

大見「小田倉さん、あなたの刑務官としての覚悟はその程度ですか!」

激突する刑務官同士の意地。

そして小田倉は、夜の刑務所で大見の秘密の姿を目撃する――。

一方、木林は仕事をずっと休み始め――酒の飲みすぎ? しかし小田倉は、木林が疲れたように目を揉んでいた姿を目撃しています。

なぜ、刑務所のカルテを持ち出すのか?

個人情報が狙いなら、標的は元歌手で服役囚の三上順太郎なのか?

火石「小田倉さん。風通しのよさが……組織にとって必ずしもいいとは限りません」

第三話では受刑者ではなく、刑務官同士、そして刑務官と医師との衝突が描かれます。

第四話ガラ受け

ガラ受け:受刑者が仮出所する時に、家族や後見人が身柄を引き受けること。

癌末期の受刑者は頑なに、家族を拒否する――その真相とは?

主人公の刑務官:西門隆介
警備指導官の火石司(ひいしつかさ)

主人公の受刑者: 貝原斉次(せいじ)

57歳の貝原は、膵臓癌のステージ4、それも余命3ヶ月と診断されます。

貝原は結婚していました。

先代の社長を慕って一生懸命働き、やがてその社長の一人娘と結婚。

そして、娘を授かりました。

しかし、家族ではない女性のアパートから出てきた貝原を脅迫した男と揉み合いになり、貝原はその男の命を奪って服役していました。

この10年間で2例しかない「刑の執行停止」しか、貝原の最期を家族が見送る方法はありません。

服役前も服役後も、ものづくりに打ち込む貝原に、西問は心を動かされ、刑の執行停止のために奔走することになります。

西門の実家もまた、ものづくりを営んでいました。

西門は、貝原の妻子に会うものの、断られます。

しかし妻は貝原に心残りがあるようです。

さらに娘は、貝原への面会を申し込みます。

しかし今度は貝原が、面会を断ります。

追い詰められた西門は、果たして貝原の刑の執行停止を勝ち取れるのか?

そして西門自身に、実家から「帰ってこい」と転職を薦める連絡が。

貝原を心配する医師の木林は、奇策に打って出て。

レッドゾーンに収容された貝原の介護を担当する三上順太郎は、貝原のために……。

貝原が会っていた女は、本当に不倫相手なのか?

第五話お礼参り

お礼参り:刑務所に入るキッカケとな事象を根に持ち、仮釈放などで娑婆に出たときに復讐すること。

復讐か更生か、それとも家族なのか――Eランクの受刑者が下した決断とは!?

主人公の刑務官:井伊雄亮(いいゆうすけ)
警備指導官の火石司(ひいしつかさ)

主人公の受刑者:牛切貢(うしきりみつぐ)、貞弘(さだひろ)
受刑者の妻:咲江

牛切は放火で逮捕されたものの、満期出所が近づいてきました。

しかし心理テストの結果がEだったため、再犯を恐れた加賀刑務所は、牛切の監視を、井伊に命じます。

しかし何者かの手引きにより、井伊は牛切を見失ってしまいます。

どうやら牛切は、自分を逮捕した刑事に復讐しそうなのですが……。

釈放された受刑者の妻・咲江はなぜか、火石と連絡を取り合っているようですが……。

釈放された受刑者の復讐は果たされてしまうのか!?

咲江はなぜ、火石と連絡を取り合っているのか!?

三上順太郎がついに釈放! 火石は加賀刑務所から異動させられてしまうのか!?

※第五話は、話全体が叙述トリックなので、ネタバレ無しでご説明できるのは、ここまでです。

未読の方は本作をご覧になったうえで、後半へお進みください。

「看守の流儀」ネタバレ考察

「看守の流儀」について、徹底的にネタバレ考察を行います。

未読の方は、絶対に読まないようにお願いいたします。

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また火石の「火石マジック」が披露された部分は、分かりやすく、そう明記してあります。

第一話ヨンピン

自死未遂の蛭川

自死未遂の蛭川は死亡します。

蛭川は認知症の傾向がありました。

そんな蛭川は「正気のうちに終わりたい」というメモを残して自死します。

火石マジック⇒蛭川のメモの意味は「正気のうちに死にたい」か「正気のうちに出所したい」、どちらにも取れます。

これを把握していた火石はあえて、刑務所幹部がこのメモを読む際、「正気のうちに死にたかったんだ」とミスリードします。

こうして加賀刑務所の記者会見は無事に終了します。

源田の居場所

源田は一人、墓地の端に立つ小屋に身を寄せていました。

理由は、源田を再犯――悪の道に誘う刑務所仲間が、更生施設にいたからです。

源田は結婚したい女性のために、悪の道を断とうとしたのでした。

奥井の隠し事

奥井は、源田宛のメモを密かに、盗んでいました。

理由は、受刑者宛の「一行電話メモ」にかけると、悪党に繋がって、悪の道へ誘われる例が多いからでした。

奥井はそれを宗片に打ち明けます。

宗片はそのメモを手に入れ、電話をかけるのでした。

繋がった相手は「ミカゲ」という女性でした。

ミカゲの正体

「ミカゲ」とは、源田に電話番号一行のメモを送った人間です。

それが、源田が出所したら結婚したいと思っていた女性でした。

ミカゲの正式な名前は、「美景」です。

その「美景」は元夫のストーカーに悩まされていました。

美景のストーカー相手は

美景の正式名称は「蒲田美景」です。

宗片は、美景に電話をかけた際、彼女が「ヨンピンの源田さんが……」と言っていたことが気になっていました。

「ヨンピンなんて言葉、普通は使わない」。

そして、宗片は閃きます。

「刑務所用語を使うのは、受刑者と……そして、刑務官だ」

宗片が三年前にもらった「結婚祝い」を調べると……美景の元夫は、自死した蛭川の責任を西門に押し付けようとしていた蒲田だったのです。

蒲田は離婚した元妻・美景にストーカーをしていました。

美景がそれに耐えきれなくなった頃、源田と出会ったのでした。

全ての登場人物と小ネタに一切、ムダが無い点は、この第一話の段階で披露されていますよね。

第二話Gとれ

与崎の反応について

与崎は、入試問題流出の新聞記事を見せられて「あっ」と声をあげました。

ところが与崎は、入試問題流出に反応したわけではありません。

同じ紙面に載っていた与崎が過去に関わった犯罪と関連のある事件に、反応していただけでした。

入試問題流出の犯人と方法

入試問題流出の犯人は、 勝田でした。

勝田は、庭掃除をしている際に、隠れて携帯電話を使える場所を発見したのです。

これを利用して入試問題を洩らし、稼いでいたのです。

いい稼ぎになるので、勝田は仮釈放ではなく、 Gとれからの自然な離脱を目指して、自ら、自分が Gとれを受けていることを漏らしたのでした。

火石マジック:火石はフランスの刑務所にいた経験から、 入試問題流出の方法と犯人を割り出しました。

及川の決断

及川は自分が犯した罪を、 刑務所の幹部に告白します。

その結果を待たず、 及川は辞める決断をします。

しかし及川に下されたのは、小規模な刑務所への異動でした。

異動の雑事が忙しすぎて、及川は辞める余裕がありませんでした。

異動は左遷だと思い込んでいた及川ですが、刑務所幹部から、左遷ではなく、 ただの異動であると聞かされ驚きます。

火石マジック:及川が辞める気であるのに気付き、 幹部会議で移動させるように進言しました。

火石「異動させなければ、及川さんは辞めてしまうから」

火石は及川の漢気を評価し、刑務官と受刑者の人間関係が近い小規模な刑務所へと異動させたのです。

瀬山と及川

及川が異動する当日。

瀬山は及川に、

「あなたは今日で最後なのに、何も言わない」

「あなたは私の親父であるはずだ」

と迫ります。

※親父:刑務官のことを親しみを込めて、こう呼ぶ。

瀬山は最も、及川を慕っているのでした。

第三話レッドゾーン

行政文書の行方と木林の秘密

木林は飲み過ぎではなく、クライドーシスという病気でした。

この病気にかかると目をやられてしまうのです。

自分の病気を見抜けなかった木林は、受刑者の診察に自信が持てず、カルテとレントゲンフィルムを持ち出し芝山にチェックを依頼したのでした。

火石マジック:木林の行政文書持ち出しと目的を火石は知っていました。

木林は素行不良のため、この件がばれると刑務所幹部に首にされてしまいます。

さらに木林自身が辞める意思を固めていました。

刑務所では医師が慢性的に不足しているため、火石はこの件を内々に進めたのでした。

なお、レントゲンフィルムとカルテは、記者会見当日、小田倉の自宅前に置かれていました。

火石の発言の真相

貴重な医師を守るため、極秘で事を進めていた火石にとって、小田倉の「行政文書が紛失した」という告発は、迷惑だったのです。

大見の秘密の姿

小田倉が夜の刑務所で見た大見の秘密の姿。

それはレッドゾーンで、受刑者に子守歌を歌う大見の姿でした。

また大見は、受刑者の粗相も処理していました。

木林と美里の覚悟「レッドゾーン」本当の意味

「レッドゾーン」のもうひとつの意味は「ここが最後の場所」です。

加賀刑務所に来るまでに色々あった木林と美里にとって、医務室と薬剤室は、それぞれのレッドゾーンでした。

二人は二人なりに、必死で働いているのです。

第四話ガラ受け

三上順太郎の決断

受刑者全員の前では、緊張で歌えなかった三上順太郎。

しかし、火石に「生きることの意味」を教えられた三上は、病気で弱りながらも家族との面会を拒否する貝原を勇気づけるため、貝原のために歌うのでした。

火石マジック:火石は三上が風呂に入る際、監視していました。

三上は風呂に一人で入っていたため、火石は三上に歌うことを許可していました。

その効果が、今回、発揮されるのです。

貝原の不倫相手は

貝原がアパートで会っていた女性は、不倫相手ではなく、先代の社長の隠し子でした。

火石マジック:不倫相手と思われた女性の自宅を尋ねる西門と火石。

その女性の部屋に置かれた「ものづくり」を称える表彰が「厚生労働大臣」ではなく「労働大臣」であったことから、火石は彼女が貝原の相手ではなく、先代の社長に関係している人間だと見抜いたのです。

刑の執行停止

不倫ではなかった事実を貝原の妻に告げ、刑の執行停止は異例の早さで実行されたのでした。

木林の奇策

医官である木林は、貝原の身を案じていました。

そして木林は、頑なに家族との面会を拒む貝原に、火石や美里と協力して奇策を仕掛けます。

木林は貝原を医務室へ呼び出します。

そして、窓から外を見させて――そこにいたのは、貝原の妻子でした。

貝原は妻子の姿を見て、ついに面会を受け入れるのでした。

西門の決断

西門は三上の歌に感銘を受け、一旦退職してものづくりの資格を取り、法務技官の道へ進む決意を固めます。

第五話お礼参り

放火を狙っていた人物とは

放火を狙っていたのは、牛切ではなく、貞弘でした。

貞弘の標的が牛切でした。

牛切の放火により、貞弘の妻である咲江は、顔に火傷を負ってしまったからです。

貞弘の画策で、牛切はおびき出されてしまいます。

火石マジック:火石は占い師に化け、貞弘に立ち塞がります。

そして貞弘の耳元で刑務所の講義と同じく「ゆっくり六を数えましょう。それで怒りは消えます」と囁くのです。

そうやって貞弘の復讐心を消し、犯行を未然に防いだのでした。

咲江が火石と連絡を取り合っていた理由

咲江は若い時代に荒れており、女子少年院のお世話になっていました。

当時の女性刑務官が、咲江が顔に火傷を負ったことを知り、彼女に火石を紹介したのです。

咲江は当初、火石に期待していませんでした。

しかし顔に傷を負いながらも、凛としている火石を咲江は慕い始めたのです。

火石は加賀刑務所を去ってしまうのか

火石はあくまで、”特別扱い”の三上順太郎の刑務官として加賀刑務所に派遣されました。

その三上は出所したので、利子が彼が刑務所に残る理由がありません。

しかし、加賀刑務所に残りたいと願う火石の要望を刑務所の幹部は認めます。

その理由は後述しますが、現代の世相をよく反映した無理のない内容に仕上がっています。

火石に休みがない理由

火石は通常の業務以外にも、こうした相談に乗っているため、基本的に休みがないのでした。

「火石の傷」ネタバレ解説「叙述トリックの傑作」

第一話で、火石は加賀刑務所が行った蛭川の自死における記者会見で、キャリアで幹部なのに表舞台に出ませんでした。

これを作者は読者に「顔の傷を隠すため」とミスリードしましが、違います。

火石は、「女性刑務官」――「女性の法務省キャリア」なのです。

これが分かって最初から読むと、合点がいきます。

それでは、各話ごとに「火石の傷」をミスリードとした叙述トリックを見ていきましょう。

第二話Gとれ

火石が及川に入試問題のカラクリを説明するシーンで、叙述トリックが使われています。

このシーンで及川は火石に、

「火石さんは上司なのだから、ほかの上司と同じように命令調で話してほしい。『ございます』なんて言葉は余計です」

と言います。

このセリフは「上司から部下への口調」だけに聞こえますが、違います。

”女性といえど上司”なのだから、丁寧口調ではなく、命令口調で、という意味です。

刑務官は女性が少ないので、及川も不慣れだったのです。

第三話レッドゾーン

薬剤師の美里が火石と薬剤室で頻繁に二人きりになってお茶をしたり、外食をするのは恋仲ではなく、火石が「女友達」だからです。

第四話ガラ受け

元歌手の受刑者・三上順太郎は、その経歴もあって「特別待遇」を受けています。

だから火石は三上は一人で入浴し、火石がマンツーマンで監視についている――そう読者にミスリードさせようとしますが、間違いです。

後述しますが、実は三上の存在自体が「看守の流儀」という小説最大のミスリードになっているのです。

火石が実は女――これが分かると、三上の秘密にも合点がいく仕掛けになっています。

第五話お礼参り

咲江が火石に「顔に傷があるのに凛としている」と共感したのは、「同じ女性なのに」という意味です。

また、貞弘を止める占い師は”女”でした。

この占い師は、火石が演じています。

「顔の傷」本当の仕掛け

火石の顔の傷が作中、何度も強調されます。

これは火石がキャリア組で強面という意味ではなく、女性らしく化粧をしていないせいで、傷が目立つ——という意味です。

プリズンダイアリー「三上順太郎」

看守の流儀で避けて通れないトリックが三上順太郎の「プリズンダイアリー」という手記です。

三上は名前こそ男ですが、ニューハーフなのです。

性転換手術は受けたものの、戸籍は男性です。

しかし超売れっ子の歌手を男性刑務所に収容すれば――トランスジェンダーの問題が、看守の流儀のもう一つの柱になっています。

三上のレッドゾーンでの介護が大好評だったのは、女性的な優しさがあったからでした。

「看守の流儀」続編紹介「看守の信念」

看守の流儀のあらすじ紹介やネタバレ考察、いかがだったでしょうか?

トリックだけでなく、人情に熱い物語性が感動を呼びます。

そんな看守の流儀の続編「看守の信念」はすでに発売中です。

看守の信念は、本作に負けないほど、トリックと人情にあふれた傑作に仕上がっています。

さらに、火石の秘められたプライベートが赤裸々になって――。

では「看守の信念」のネタバレ考察でお会いできるのを楽しみにしております。

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