名古屋グランパスvs湘南ベルマーレ戦レビュー「降格候補同士の6ポイントマッチ」

名古屋グランパス サッカー
名古屋グランパス

グランパスの阿部浩之が劇的なPKを決めて勝つも、ひどい内容でした。
このベルマーレ戦をスタッツやインタビューとともに振り返ります。
また、ヴィッセル神戸の新監督・ロティーナにも迫ります。

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スタメン

名古屋グランパスはDF中谷進之介(26)がスタメン起用。
カップ戦を含め3試合ぶりです。
また軽度の負傷で先発を外れていたDF吉田豊(32)、そして2日のG大阪戦で後半から出場して存在感を発揮したFW柿谷曜一朗(32)が先発入り。
中2~4日の試合が集中する過密日程を前に先発3人を入れ替え、G大阪戦で先発したFW相馬勇紀(25)らがベンチに入りました。

グランパススタメンとサブ

GK
ランゲラック
DF
森下龍矢
中谷進之介
藤井陽也
吉田豊
MF
レオ・シルバ
稲垣祥
仙頭啓矢
FW
柿谷曜一朗
酒井宣福
マテウス・カストロ
(Sub)
武田洋平
チアゴ
宮原和也
甲田英將
長澤和輝
阿部浩之
相馬勇紀

湘南ベルマーレスタメン

ボランチの米本拓司がスタメンでしたが、グランパスからのレンタル移籍なので出場できません。
米本の穴はグランパスキラーである山田で埋める作戦です。

コロナで主力8人が出場できない苦しい台所事情です。
GK
谷 晃生
DF
福島 隼斗
大岩 一貴
大野 和成
MF
古林 将太
茨田 陽生
山田 直輝
石原 広教
FW
タリク
大橋 祐紀
瀬川 祐輔

スタッツ

グランパスvsベルマーレスタッツ

グランパスvsベルマーレスタッツ

グランパスの方がシュート数は多いものの、試合内容にそこまでの開きはありませんでした。
強いて言うなら、控え選手の層の厚さでしょう。

石原広教の代わりがいないベルマーレは破れ、相馬を投入できたグランパスは勝利した・・そんな一戦になりました。

試合の流れ

湘南に先制を許すも、オウンゴールとPK弾で逆転しました。

前節はガンバ大阪に3失点で大敗を喫し、開幕節以来の2勝目が遠い名古屋。
一方、湘南も苦しい状況。開幕6試合で4敗2分と未勝利が続いています。

前半から試合は動きます。
湘南は前半8分、左CKをMF茨田陽生が蹴り、ゴール前のFW大橋祐紀がヘディングシュート。
ゴールネットを揺らされます。

しかし前半21分。
GKランゲラックのロングフィードから前線のMFマテウス・カストロがボールを収めます。
そしてPA左へのパスはMF仙頭啓矢へ。
仙頭がPA中央にカットイン。
すると、詰めていたマテウスが左足を一閃。
ゴールに突き刺します。
しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の結果、オフサイドに。

前半は湘南が1-0のリードのままで折り返します。

後半4分、MF稲垣祥のロングボールを右サイドで受けたDF森下龍矢がストレート性のクロスを上げます。
すると、相手守備陣のオウンゴールを誘発。
DF福島隼斗に当たったボールはそのままゴールへ。

1-1と試合が振り出しに戻ると、その後は一進一退の攻防に。
そして、後半44分。
MF相馬勇紀が敵陣PA内でファウルを受け、PKを獲得。
ファウルをしたMF石原広教は一発退場。

キッカー・MF阿部浩之が決め切り、2-1で逆転しました。

試合はそのまま終了し、名古屋が開幕節以来となる今季2勝目。
湘南は開幕7試合未勝利に。

レビュー

グランパスにポゼッションは無理

前半開始から、湘南の激しいプレッシャーを受けます。
その結果、自陣からつなげず、ロングボールを多用。
結果、再三に渡って湘南にCKをあたえてしまいます。

風間監督時代、耳についた「ポゼッション」。
中村憲剛がいなければ、日本では不可能な戦術です。

トメテケールの練習を繰り返した結果、守備がスッカスカになった悪夢の日々。
あれ以来、グランパスはポゼッションを志向しなくなったと思っていましたが。

この日は無理に繋ごうとする⇒繋げないので前に蹴り出す、この繰り返しでした。
ハッキリとした意図を持ってボールを前に出す姿勢が求められます。

守備の改善はセットプレーから

失点のシーンを振り返ります。
キッカーは茨田。

走り込んできた大橋に簡単に合わせられました。

昨年のマッシモ体制から散々、セットプレーで失点を重ねています。
それも競り合ってではなく、相手をフリーにするのが悪癖です。

この場面も大橋のマークであり森下がつききれていません。

ブンデスリーグやスペインリーグを見ても分かるとおり、セットプレーは高さではありません。
いいキッカーとタイミングです。

グランパスのDFは身長が高くないので、セットプレーのマークを徹底させる練習を行わないと出血は止まりません。

光る仙頭のポジョニング

森下と吉田がWGのように張り出したお陰で、仙頭が居場所であるボランチでプレーできました。

マテウスが張るシーンでは、森下は内側にカットイン。

結果、ボールが回りました。

精彩を欠くレオシルバと稲垣ですが、仙頭がボランチまで下りると、中盤が蘇ります。

レオシルバではなく、長澤を試しても面白い中盤ができそうです。

選手交代はマッシモより前進

後半67分、柿谷⇒相馬。
後半82分、マテウス&仙頭⇒阿部&甲田。

甲田はJ2へのレンタルが待った無しの状況ながら、相馬と阿部は「さすが」の出来でした。

湘南のクロスを中谷が跳ね返したボールに酒井が反応します。
その酒井が相馬へ。

そのまま相馬が敵陣までボールを運び、レオ・シルバへ。
さらにレオシルアから稲垣。
そして稲垣からはフリーの阿部へ。

年齢による衰えが顕著な阿部ですが、フリーの状態なら彼のパスが活きます。
絶妙なタイミングでWBの裏を狙った相馬に、必殺のクロスを出します。

相馬がWBの前に走り込み、背後から倒されPKをゲット。
ここで得たPKを阿部が冷静に沈め、ロスタイムにグランパス逆転。

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一連の流れるような攻撃を重ねることができれば、グランパスは降格争いの泥沼にはまらないでしょう。

長谷川健太監督インタビュー

「先制されて難しい展開だったのですが、そこから後半でギアを一段上げました」

「逆転勝ちしたことは、チームにとって勢いの出る結果だと思います」

「1点取られたあと、いい形で相手ゴール前までいくことが増えました」

「試合前に「ディフェンスラインとキーパーの間に速いボールを入れていこう」という話をしました」

「森下(龍矢)がいい形でサイドを破り、タイミング良くすばらしいボールを入れたと思っています」

「交代選手、出場時間の短い選手も最後までチームの勝利のために本当に頑張ってくれたと思います」

選手インタビュー「ジャンケンで勝った試合」

阿部浩之

「後半はチームとして良い形を作れていたし、チームとして上手く攻撃をできていたぶん、途中から出てもスムーズに入れました」

「レオシルバ選手とじゃんけんをして勝ちました。2人とも『蹴りたい』、『自信ある』と言って、やりとりが終わらなかったので、僕が『じゃんけんをしよう』って言いました

森下龍矢

「本当に前半は、自分たちも相手に殴られる前に殴りに行かなければいけないという気持ちでやっていたんですが、なかなかグッと力が入らなかったというのが実際のところで」

「後半に入る前には『このままじゃダメなんだ』ってロッカーでみんなで再確認して」

「その再確認が後半の始まりの勢いにつながったんじゃないかなと思います」

「勝ったことも大きいですけど、そのロッカーで自分たちで雰囲気を変えられたというのが、それ以上にもっと大きいことなんじゃないかなって思っています」

【ヴィッセル神戸】新監督にロティーナ氏が内定

セレッソ大阪や清水エスパルスなどで指揮を執ったスペイン人、ミゲル・アンヘル・ロティーナ氏(64)の就任が内定しました。
ロティーナ氏をコーチとして補佐してきたイバン・パランコ氏(42)も入閣します。

ロティーナはC大阪や清水などで指揮をとった経験があります。

ヴィッセル神戸はFC東京に1-3で逆転負けしました。
これで開幕から続く未勝利を4分け5敗の9試合に伸ばし、リーグ戦におけるクラブワースト記録をさらに更新です。

しかし神戸は、主将のMFアンドレス・イニエスタ(37)を中心に置く姿勢がブレません。
そこでベテランにして日本を知るロティーナの登場となりました。

PCR検査で新型コロナウイルスの陰性を確認されれば、すぐに練習から指揮します。
その場合、10日のJ1リーグ戦、古巣セレッソ大阪戦(ノエスタ)が初陣となります。
遅くとも、今月中旬にタイで開幕するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)には間に合うでしょう。

ミゲル・アンヘル・ロティーナとは?

ロティーナは、17年にJ2東京ヴェルディ監督として初来日しました。
19年からC大阪、21年は清水で計約5年間、Jリーグで監督を務めています。

強固な守備ブロックとバランスのいい攻撃が持ち味です。
C大阪時代の19年はJ1で5位、20年は4位の成績でした。

1957年6月18日、スペイン生まれ。
DFとして母国クラブでプレーし、33歳で指導者へ。
母国のエスパニョール、ビリャレアルなどで監督に就任し、17、18年はJ2東京V、19、20年はC大阪、21年11月まで清水で指揮。

ロティーナは劇薬

ロティーナが清水の監督だった頃、インタビューでこう答えています。

「守備の練習は不要だと思っています。
ポゼッションを上げて、押し込めばいいのですから」

この価値観は風間監督と同じであり、降格を避けるための堅実な戦いからは、ほど遠いのです。

さて、ヴィッセル神戸は建て直せるのでしょうか?

鹿島MFピトゥカに4試合の出場停止処分

Jリーグは6日、鹿島アントラーズのMFディエゴ・ピトゥカに、以下の処分を発表しました。

「交代を命じられフィールドから出た直後、テクニカルエリア内に置いてあったペットボトルをスタンドに向かって蹴り飛ばした行為は、「きわめて危険な行為」および「きわめて反スポーツ的な行為」に該当すると判断、4試合の出場停止とする」

事件は2日に行われた明治安田生命J1リーグ第6節の清水エスパルス戦で発生。
63分、先発出場していたピトゥカは上田綺世と交代。
その際に、ピッチサイドに置いてあったペットボトルを思い切り蹴り上げたのです。

ペットボトルは猛スピードでメインスタンドへ。
最前列の柵に直撃し、本体と中身の水がスタンドの観客に接触してしまいました。

柵に当たっていなければ、かなりのスピードで水入りのペットボトルが観客に直撃していた一件。

鹿島はこの4試合に加えて、クラブ独自の処分としてYBCルヴァンカップの2試合も出場停止にします。

ピトゥカは今回の件について謝罪しました。

「このたび、私の恥ずべき行為で危険を感じたスタジアムのお客様、ご迷惑をおかけした来場者の方々、ファン、サポーターの皆さま、鹿島アントラーズに関わるすべての関係者に心からお詫びします。一人の人間として、自分の愚かなふるまいを後悔しています」

「ペットボトルをサポーターに向けて蹴る意図は全く無く、感情に任せて蹴ってしまいました。一歩間違えれば大きな事故につながり、決して許されない行為だと思っています」

「皆さまの信頼を取り戻せるよう、自分の行動でその気持ちを示していきます。本当に申し訳ありませんでした」

【一覧】ピトゥカ出場停止試合

4月6日(水)
明治安田生命J1リーグ 第7節
vsアビスパ福岡
4月10日(日)
明治安田生命J1リーグ 第8節
vs横浜F・マリノス

4月13日(水)
YBCルヴァンカップグループステージ 第4節 vsセレッソ大阪

4月17日(日)
明治安田生命J1リーグ 第9節
vs名古屋グランパス

4月23日(土)
YBCルヴァンカップグループステージ 第5節
vs大分トリニータ戦

4月29日(金・祝)
明治安田生命J1リーグ 第10節
vsセレッソ大阪

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