児童虐待防止法「児童虐待の事件と件数」児童虐待防止のために通報を

児童福祉

「毒親」という言葉が市民権を得てから、もう何年になるでしょう。

「親」が「毒」……今がとても厳しい時代だと思い知らされます。

この「毒親」という言葉は、児童虐待から来ています。

児童虐待は許せませんが、1つ注意が必要です。

マスコミの報道で「去年より児童虐待件数が増加しました」と聞いても、冷静に。
(この記事内で説明します)

どれだけ時代が変わろうと、そしてどの国であろうと「子ども」はいつだって「宝物」です。

そんな宝物である「子ども」を「虐待」から守るためには、正しい知識が必要ですよね?

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児童虐待防止法

児童虐待に対応する機関は「児童相談所」です。

児童相談所は、都道府県の機関です。

では、「市町村」は何もしていないのでしょうか?

市町村役場には、「家庭相談員」が必置です。

法の定めで「家庭相談員は嘱託職員とする」と明記されています。

これは「嘱託職員しか認めない」という解釈ではなく、身分を嘱託職員以上にして「しっかり児童虐待に対応してくださいね」という意味です。

では全国で、正職の家庭相談員はいるのでしょうか?

私は福井県で初めて、正職の「家庭相談員」として採用されました。

児童相談所であれ市町村であれ、児童虐待の対応は全て「児童虐待防止法」に基づいて行われます。

そんな児童虐待防止法の主要な施策について、児童福祉法と絡めて見ていきましょう。

児童福祉法

  • 対象:18歳まで
  • 通告の義務(虐待を発見したら通報すること)
  • 立ち入り調査(児童相談所は虐待が疑われる家庭の自宅に入れる)
  • 一児保護(児童相談所は家庭裁判所の許可があれば、虐待された児童を施設に入所できる)

児童虐待防止法

いい事ずくめに見える児童福祉法ですが、機能しませんでした。

そこで2000年11月に「児童虐待防止法」が施行されました

この施行には1994年に日本が「子どもの権利条約」を批准したことが、非常に大きいと言われています。

児童虐待防止法の主要施策を見ていきましょう。

第2条「虐待の定義」

  • 身体的虐待
  • 性的虐待
  • ネグレクト
  • 心理的虐待

初めて児童虐待が定義され、対応が容易になりました。
また社会全体でも、虐待が具体化されました。
なお「施設職員も虐待してはダメですよ」と明記されています。

第4条「責務」

「国及び地方公共団体は、児童虐待にしっかり対応しなさい」と責任が明記されました。

「当たり前じゃないか」と思いますよね?

公務員は法律に基づいて仕事をします。
その法律で「責任ですよ」と明記されたことで、現場が緊張感を持ちます。

また「法律に責任があるから」と、予算を請求しやすくなりました。

第5条「早期発見」第6条「通告」

児童福祉法で機能していなかった「虐待の早期発見」と「関係者の通告(通報)」が義務になりました。
関係者:小児科等の医師、教師、弁護士など

関係者が明確になったことで、児童虐待のネットワークである「要保護児童地域対策協議会」に各機関が参加しやすくなりました。

私が家庭相談員だった頃、この規定のお陰で、公立病院の小児科部長が協議会に参加してくれました。

第9条「立ち入り調査」第10条「警察官の援助」

児童相談所が立ち入り調査を行う際、警察官が同行できることになりました。

私が現役だった当時、実際に児童相談所の職員が警察官と同行して立ち入り調査を行いました。

逮捕権を持つ警察官の存在は、大きいです。

また警察官の同行は、スタッフの身を守れます。

私が現役だった頃、他県で児童相談所の職員がアイスピックで刺されたことがあります。
それ程、立ち入り調査は危険です。

ちなみに、その県の児童相談所ではスタッフの人数分、防刃チョッキを購入したそうです。

第11条「指導を受ける義務」第13条「児童福祉司等の意見の聴取」

虐待を行った大人は、児童福祉司等の指示をしっかり聞きましょう――という決まりです。

児童相談所は、虐待を受けた児童を「一時保護」として施設に入所できます。
この「一時保護」を解除する際、親が児童福祉司の言うことを聞かない場合、「解除しない」という選択肢ができました。

第14条親権の行使に関する配慮

虐待を行っていた者が「これは躾です!」と言い訳できない規定です。

体罰は児童虐待です。

附則第2条

児童虐待防止法は3年ごとに見直しされます。

時代を反映させ、アップデートしていくのです。

児童虐待の事件

痛ましい児童虐待ですが、特徴がある虐待の事件を3例、紹介します。

目を覆いたくなりますが、現実に起きた虐待です。

茨城県

産後ウツの母親が、生後2ヵ月の我が子の首を絞めました。
母親が自ら通報し、発覚しました。
動機は「我が子が泣き止まないため」。

赤ん坊の仕事は泣くことです。

子どもは心肺停止になり、1ヶ月後、亡くなりました。

母親だけの責任でしょうか?

育児は母親1人で行うものではありません。

周囲が可能な限り、育児に協力しましょう。

青森県

母子が受診した際、医師が母子の異常に気付きました。
医師は児童福祉相談所に通告しました。

児童相談所が学校に調査を行った結果、夫婦喧嘩が原因で、食事抜きで児童が登校し、気絶寸前でした。

このケースでは「医師⇒児童相談所⇒学校」と連携がスムーズに進んだことで、児童の命を助けることができました。

児童の目の前で夫婦喧嘩を行って恐怖をあたえる行為は心理的虐待です。

夫婦仲良く暮らしましょう。

韓国・仁川

仁川(インチョン)地方裁判所が1審で、両親に懲役30年を言い渡した事例です。

この両親は8歳の我が子に食事をあたえないばかりか、排泄物を食べさせるなど、非道の限りを尽くしました。

また少女の体は痣だらけででした。

さらに体重は、他の子どもの平均体重の半分しかありませんでした。

残念ながら少女は、帰らぬ人となりました。

児童虐待の件数

「児童虐待の件数は年々上がっている」とニュースや新聞で目にした記憶はありませんか?

2000年:17,725件
2010年:56,834件
2017年:133,778件
2018年:159,850件

この件数は、児童相談所が把握している件数です。

私は家庭相談員だったので分かりますが、児童虐待は学校や自宅などの「社会的密室」で起こります。

ですから、「虐待の掘り起こし」が求められます。

2021年8月現在、日本はまだ「児童虐待」の「掘り起こし」を行っている最中です。

つまり、児童相談所が把握している件数が減少すると、掘り起こしが上手くいっていないのです。

要するに「隠ぺいされた児童虐待が多い」のです。

登る山を間違えないようにしましょう。
情報の受け手もまた、精度が求められる時代です。

児童虐待防止のために通報を

「あのお宅、子どもにご飯を食べさせていないのでは?」

「この生徒、家で体罰を受けているのでは?」

「うちの子、学校で体罰をうけているのでは?」

そう思っても、中々、児童相談所や警察、市役所に通報できないと思います。

それはきっと「通報したのがバレたら、どうしょう?」と思うからでしょう。
それは、当たり前の感情です。

ご安心ください。

児童虐待の通告(通報)は、匿名で行います。
実際に私は、匿名の電話を受け、対応した経験があります。

また、通報した方が特定される情報を、虐待している本人に知られることもしません。

小学校から通報を受けた際、「学校名は出さないでほしい」と毎回言われました。

また通報先ですが、お住まいの「民生委員」でも構いません。

特に今現在、育児で悩まれている方は、匿名で結構ですので、市役所や保健所に電話してみてください。
(お住まいの自治体によっては、メール相談もあります)

終わりに

子どもは現在の宝物であり、将来を担う希望です。

宝物は1人ではなく、家族・親族、また地域一丸となって大切に育てましょう。

大丈夫、あなたは一人ではありません!

私達夫婦は5年半の不妊治療を経て、子どもを授かりました。
私達には奇跡が起きましたが、子に恵まれない方々がいます。

やっと恵まれた、子宝。

健やかに育ってほしいですよね(^^♪

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